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店やウニまつり,マリンフェスタなどのイベントで商品として販売している。しかし,現状ではこの作業は7〜8月期に集中し,ハサミやナイフなどにより1つひとつが手作業となることから,作業者のかなりの負担となっている。④ウニ殻剥き機の試作 ウニ殻剥き作業の作業工程分析を行い,最初に図5に示すような試作機を製作した。 実際にこの試作機を使用し殻剥きを行ったところ,ウニの形状によって,ウニの固定が安定せず,潰れや崩れなど,きれいに殻が剥けないなど,剥かれた状態にばらつきが生じ,要求レベルに及ばなかった。⑤VE手法による試作機の改善 試作機の部品展開を行い,機能展開からTT-HS(Three Thinking and Harmonic Selection)法を用いて改良を行った。 部品展開図からウニ殻剥き機の基本機能を理解するために機能展開を行い,機能系統図を作成した。さらにその機能系統図をもとに,ウニ殻剥きに必要な機能の分析を行った。図6に機能系統図を示す。-8-⑥試作機の改善点⑥-1 ウニを抉る回転タイミングの改良 試作機の刃物回転の開始タイミングはリミットスイッチを用いて起動している。ハンドレバーを,ある一定の高さまで下げるとリミットスイッチが作動しモータが回転する仕組みとなっていたが,ウニの形状が異なるため,切り込みのタイミングにばらつきが生じていた。そこで,非接触の近接センサに変更し,刃物がウニに接触すると同時に回転する機構に改良した。⑥-2 刃物の切り込み回転制御 ウニへの切り込み開始において急激な切削抵抗が生じないように刃物の回転を制御させるように改善した。この回転制御について現在,特許出願に向けて継続して改善中である。⑦ウニ殻破砕機の機能展開 ウニの殻の破砕については,ミネラルを豊富に含んだ貝殻などの破砕物と一緒に土壌の整備などで有効活用することを目的としているため,一定の大きさで破砕することが必要となる。そこで破砕機能を理解するためにVE手法により機能展開をもとに機能系統図を作成し,図7に示すようにTT-HS法により調和的革新案の選出を行った。 A案:コスト・短納期重視 B案:機能性重視 C案:制御・信頼性重視の3案を選択基準とし,具現化するためにラフスケッチを作成した。図5 試作したウニ殻剥き機技能と技術 4/2013図6 機能系統図

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