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5.3 パイロット技能評価試験図7 オープニングセレモニー技能と技術 3/2013図8 パイロット技能評価試験(実技試験)-38-図9 採点の様子できた。日本製の工作機械を使用している会社が多く,工場内は従業員以外,日本とあまり変わらない。製造に携わるベトナム人は主に単純作業のみを行っており,NCプログラムは理解していない。多くの作業者は検定課題を製作できるレベルにない。 作成中の技能評価試験課題には段取りするためには不可欠な作業要素が含まれており,単純作業から段取り作業ができる人材へのレベルアップとして多くの作業者に適した課題であると感じた。 なかには資格を取得することで,過剰な自信を持って転職する人が増えるのではないか,といった懸念も聞かれたが,技能検定制度に対してはおおむね好意的であった。 企業訪問を通して,現在マシニングセンタに携わるベトナム人は単純作業が多いが,企業側が単純作業だけでなく自ら仕事をこなし改善できる人材になることを望んでいることがわかった。 マシニングセンタ技能評価試験の準備が整い,8月21日,22日にパイロット技能評価試験を実施することになった。受験者は機械加工の職業訓練コースの学生10名。この試験の実施を支援するために,再度派遣された。 試験初日にはオープニングセレモニーが行われた。セレモニーには商工省(MOIT),職業訓練総局(GDVT),日系企業等から十数名の来賓があり,関心の高さがうかがえた。 2日目の実技試験では,2台のマシニングセンタを用いて1人60分ずつの試験を行った。全体では事故や大きな混乱もなくスムーズに行われた。しかし,評価者のチェックするタイミングや指示事項が受験者によって異なっていたり,評価者と受験者が先生と生徒の関係だったことから,“先生”が作業を指示してしまっている場面も見受けられた。これらの様子はビデオカメラで撮影し,後日のワークショップで再生しながら,問題点を指摘した。 翌日の採点では,特に“できばえ”の評価について糸面取りを行っていない製品を高く評価してしまうなどの問題があったため,製品の比較をしながら評価方法とポイントを説明した。 採点終了後,表彰式が行われた。試験結果は,10名中9名が合格であった。 受験者からの感想では,試験中に戸惑った点など

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