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5.1 試験課題と採点基準図4 実技試験課題図5 模擬試験風景5.2 産業界のニーズ確認図6 訪問企業の工場内の様子 着任時には実技試験課題がほぼ完成していた。課題には,マシニングセンタによる基本的な加工(平面加工,外周加工,穴あけ,面取り)が含まれている。課題レベルは2年制職業訓練コース卒業程度,日本の技能検定の2級から3級の中間レベルであり,“マシニングセンタの基本的なプログラミングから段取り作業,プログラム確認,加工までを正しく行うことができる”ことを評価,認定することを目的としている。 試験は2日間。1日目に学科試験と実技のペーパー試験,2日目の実技試験では,実機により試験課題を加工する。実技のペーパー試験では,試験課題に対する適切な工具の選択,座標系の設定,プログラミングを問う。実技試験では,受験者が段取り,プログラムの入力とチェック,ドライラン,加工までを行い,評価者がチェックポイントごとに評-37-価する。 まず,ワークショップにより試験実施手順,評価方法についてスライドを使って全体説明を行った。その後,評価者と受験者の役に分かれてロールプレイによる模擬試験を行いながら具体的な手順を確認していった。 しかし,模擬試験に使用した外国製マシニングセンタは,工具交換中に工具が落下したり,指定した工具とは違う工具が出てきたり,機械の原点が記憶できなかったりと,信じられないような現象が連発し,予定していた3日間のうち2日間はそれらの対応に追われてしまい,実質的には1日しか模擬試験ができなかった。日本との違いを痛感した出来事だった。 それでも模擬試験を通して,実施,評価方法についておおむね理解が得られ,実施要領と評価基準を作成することができた。 滞在中,複数の企業訪問をすることができた。どの会社も売り上げは毎年右肩上がりで,日本とは対照的なベトナムの経済成長の勢いを感じた。 バイク部品を製造する日系企業では日本とは桁違いの生産量があるといい,部品洗浄機を製造する地元企業でも仕事はいくらでもあるので営業はしていないそうだ。 建設機械の油圧部品を製造している日系企業などで,マシニングセンタによる加工作業を見ることが海外技術協力

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