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図2 ハノイ工業大学図3 図書館で勉強中の学生たち技能と技術 3/2013人,ハノイ市内に3つのキャンパスがある。 職業訓練コースの機械加工科,金属加工科では,後述のプロジェクトによる日本の支援により,旋盤,フライス盤,NC旋盤,マシニングセンタ,溶接,板金機器,各種測定機等,ほとんど日本と同等の機材とカリキュラムで教育訓練が行われている。 ベトナムの朝は早く,授業開始は7時。授業中に眠る学生は皆無で,熱心に勉強している。大学内には寮があり,多くの学生が1部屋に8〜10名で生活している。寮の集団生活は大変かと思いきや,聞けばとても楽しいと言う。 外国語として学べる言語には,英語,中国語,日本語があり,日本語を学んでいる学生は,学内で私-36-に会うと日本語で元気にあいさつや話しかけてきたりするなど,どの学生も生き生きとして,目が輝いていた。 JICAはベトナム政府との合意に基づき,2000年4月にこのプロジェクトをスタートした。第1期技術協力プロジェクト(2000年4月〜2005年3月までの5年間)により,教育訓練機材が整えられ,機械加工・金属加工・電子制御分野の2年制職業訓練コースが新設された。これらのコースは「ベトナム日本センター(VJC)」として確立され,年間350名の技能者を輩出。日系企業の評価も高い。 第2期技術協力プロジェクト(2010年1月〜2013年1月までの3年間)では,“産業界の人材ニーズに沿った教育訓練カリキュラムの策定・実施能力の向上”を目的としている。 具体的な活動としては,職業訓練コースでは,企業ニーズに基づいた訓練カリキュラムの改善や就職支援,インターンシップを行っている。企業の在職者に対しては,機械保全や電気保全などの短期訓練コースの実施や技能者の地位向上のための技能評価の試行などを実施中である。 ハノイ工業大学では,政策や産業界の需要を踏まえて技能評価制度を導入するために“マシニングセンタ”をパイロット分野として選定し,技能評価試験の実施準備を進めている。 今回の主な活動内容としては,実技試験課題のプログラミングと加工の技術的指導,評価(採点)基準の作成と採点方法の指導,パイロット技能評価試験の実施支援である。 ベトナムでは現在,技能評価のレベルを5段階で考えており,今回は下から2番目のレベルの試験課題を作成することとした。4.ハノイ工業大学技能者育成支援プロジェク5.活動内容ト

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