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■就労支援について(文字と絵:Sさん)これまでの就労支援は…基本的にビジネスマナーやコミュニケーションスキルを身につけることが目的。仕事能力が低いところを支援。単純作業,共同作業が多い。 「発達障害者支援センター」が果たすべき役割は,来談者が主体となる相談機能の強化であり,ライフステージを見通した視点をもつこと,「発達障害がある」ことで苦労している本人および家族の生活の実態について知り,社会との仲介役になることと考える。トスカにおける相談等事例から,就労を含めた社会生活支援のあり方について考えると,以下のことが課題としてあげられる。○「障害のない人が作ってきた」社会の価値観や枠組みに適応させることが,本人にとってどう影響するのか,「社会性」に障害があるとされる自閉症スペクトラム障害のある人にとっては,支援されることが排除に繋がってしまう危険性を認識しなければならない。○「働く」場の確保,多様な内容と個別的な配慮,ゆるやかで現実的な社会参加できる体験の場を確保すること。○ライフステージを見通した支援みんなと同じ乗り物に乗車し,同じ速度で走り,同じレールで,それが合わない障害者にとってはキツイ!発達障害は真逆!仕事能力が高くてもコミュニケーション障害や感覚過敏など困り感を持つ人の支援がない。障害者支援と大きなくくりで幅広く受け入れているため,個別対応(ひとりひとりに合った支援)まではいきとどかない。技能と技術 3/2013-18-・「平成l7年度研究報告書 (主任研究者:石井哲夫)」厚生労働科学研究費補助金こころの健康科学研究事業 59-64:青年期・成人期における高機能広汎性発達障害にみられる反社会的行動に対する社会的支援システムの構築に関する研究 (石井哲夫,副島洋明他)2006 ・「精神療法」 第35巻第3号特集 自閉症スペクトラムの人々の就労問題 座談会「自閉症スペクトラムの人々の就労支援」:山崎晃資・石井哲夫・今井 忠・日詰正文 自閉症スペクトラムの人々の就労問題:山崎晃資・石井哲夫・神保育子 出版:金剛出版・「シリーズ3 発達障碍・療育関係発達障害者支援センターから-東京都発達障害者支援センターにおける支援の現況と展望-TOSCA主任支援員 石橋悦子」明治安田こころの健康財団 実践情報通信MINDIX 2006年9月号 ・自閉症・発達障害がある人たちへの療育—受容的交流理論による実践-著:石井哲夫 出版:福村出版・精神保健福祉白書2012年版 第三章地域生活支援 3-1-13発達障害者と地域生活支援(石橋悦子)編集:精神保健福祉白書編集委員会・精神保健福祉白書2013年版 第三章地域生活支援 3-1-13発達障害者と地域生活支援(石橋悦子)編集:精神保健福祉白書編集委員会・「発達障害のある人」への理解と対応〜職場の相談事例から言えること〜 公益財団法人三菱財団社会福祉事業・研究助成「成人期におけるアスペルガー障害者の支援及び療育方法に関する支援調査研究」編集・発行:社会福祉法人嬉泉発達の進み方には個人差があることを認識する。対人態度や社会性については長いスタンスで支援に取り組むことが必要。○本人を取り巻く人(家族・支援者・職場でかかわる人など)への支援(対処法と心のケア)の必要性とその内容については,関係者間で共通認識をもつこと。○支援者自身が『自己認知』をすすめていくことが必要不可欠である。○実質的な機関(人)の構築と連携本人や家族を主体に考える支援のあり方を共有・分担・協力する仕組みを確立する。 今後,実働的な支援体制整備を行うとともに,支援を求める人のニーズを個別的にとらえ,柔軟に対応していく支援の実績を,確実に重ねていくことが求められる。6.課題<引用・参考文献>

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