2/2013
43/54

4.パラレルカムの平面カム製作手順 ⑶平面カムが包絡線として加工される。ただし,両軸の回転角は,間欠運動から算出される動作曲線(後述)によって決まる。 平面カムの製作手順は次のように示される。① 間欠機構のタイミング線図の作成② カム曲線の選定③ 動作曲線の作成④ 平面カムの形状の算出または創成⑤ 平面カムのNCデータ作成⑥ 平面カムの素材と取り付け穴の加工⑦ NC工作機械による加工 ①タイミング線図は,従属軸の1回転中の回転と静止する区間を線図で表したものである。一般に急激に回転が止まったり,動いたりすると,大きな衝撃力を発生し,振動などの問題を引き起こす。そこで,従動軸をなめらかに静動するためにカム曲線が適用され徐々に回転が止まり,動きだすように設定される。具体的な例として,図4にタイミング線図にカム曲線を適用し,駆動軸の動作曲線を作成したものを示す。タイミング線図は,連続して回転する駆動軸に対して従属軸の間欠回転,つまり従属軸の停止と稼働を直線で表したものである。図4では,タイミング線図は図中c点,a点,b点,d点を直線で結んだものに相当する。ab区間は,従属軸が-41-回転している区間になる。 A点では急激に従動軸は動き始め,b点では急に停止するため,なめらかに静動するためにカム曲線を適用し動作曲線を作成している。 カム曲線は,カムの設計書1)などにたくさんの曲線が提案されているので適切なものを選定する。カム曲線f(x)は,増加関数でタイミング線図に適用が容易にできるように0≦x≦1  0≦y≦1  y=f(x)で与えられる。したがって,動作曲線は,次式で示される。従動軸の稼働区間は 駆動軸  従動軸 動作曲線は で示される。 図の作動曲線は,⑶式のカム曲線を適用している。 y=0.5(1-cosπ・x)式から動作曲線を求めると次のようになる。① 0≦θ≦27    τ=22.5 一定② 27≦θ≦(216+27)③ 43≦θ≦360   τ=202.5 一定 で が動くとすると実践報告4.1 動作曲線の算出図4 タイミング線図と動作曲線図5 平面カムの動作曲線

元のページ  ../index.html#43

このブックを見る