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1.はじめに2.取り組みの経緯11中国職業能力開発大学校亀山 寛司-5- 中国職業能力開発大学校では,「ものづくりを行う現場のための人材養成」を行い,着実にものづくり現場へ人材を送り出している。「ものづくり」現場での活動を応用課程(3,4年次)の職業訓練に疑似的に再現している。職業生活に向けて,仕事の視点から必要な安全衛生・モラルのスキルアップに有用な5S活動,KYT基礎4ラウンド法,指導技法などに取り組んでいる。若年者の多様な職業能力付与には,指導者が技能・技術を教えるのと同じ熱意で安全衛生職業訓練を学生らに教える必要性があった。教えることは,学生の安全と自分の安全を考えることにつながる。 安全衛生についても現場の緊張感のある指導をすることの必要性に気づくことが重要である。基本的な安全衛生教育が職業生活と結びついていることを,意識的に計画的に指導することが必要であると感じていた。平成21年,中央労働災害防止協会・広島で開催の危険予知活動を展開していくトレーナー養成のための研修に参加する機会を得た。ゼロ災運動の理念とKYT基礎4ラウンド法の習得を重点に行うとともに,実践的な活用技法を体験学習できる。私の決意表明(行動目標)にKYTを取り入れた指導を行うと表明したことがきっかけとなった。⑵ 先取りの原則  究極の目標としてのゼロ災害・ゼロ疾病の職場を実現するために,事故・災害が起こる前に,職場や作業にひそむ危険の芽を摘み取り,安全と健康(労働衛生)を先取りすること。⑶ 参加の原則  職場や作業にひそむ危険を発見・把握・解決するために,全員が一致協力してそれぞれの立場・持ち場で自主的,自発的にヤル気で問題解決行動を実践することを言う。指導の過程で安全衛生を表現したり指導することによってヒューマンスキル,コンセプチュアルスキルのプラスの効果が見込まれる。これらはすべて「気づき」を基礎にしている。 ゼロ災運動の理念の三原則は,⑴ ゼロの原則  単に死亡災害・休業災害だけがなければよいという考えではなく,職場や作業に潜むすべての危険を発見・把握・解決し,根底から労働災害をゼロにしてゆこうという考え方。 また,技能・技術の職業訓練として,「体験・経験で訓練する」ために選りすぐった典型課題により職業訓練は継続・支持されてきた。典型課題を経験させるために,指導案を作成する。技能のカンドコロ(感覚的判断,感性,五感)は何か・ポイント(作業のコツ,要領)は何かを考えることである。私たちの持っている1つの技能を極めた方法を振り返ると,努力・苦労したが「こんな道もあった」「あんな道もあった」と感じる。「ものづくり現場を担う  安全に対する取り組み 必要な安全衛生職業訓練の取り組み若年者の職業能力付与のために

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