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6.創成法に従属歯車の製作7.総形法によるインボリュート歯形の従属歯図8 バーチャル空間での創成法による歯切りの様子図9 バーチャル空間での四角形歯車の完成技能と技術 1/2013図10 創成法による四角形歯車の製作例-26-車の製作 CAD上に基準歯車と従属歯車のブランクを⑷式で算出した軸間距離に配置し,標準歯車とブランクを両ピッチ曲線が転がり接触するように回転し,両者が干渉する部分を画像上で除去し歯車を創成している。図8に円形歯形を持った四角形歯車で,従属歯車の創成を行っている様子を示す。両歯車の回転角は図6の算出したピッチ曲線の座標値をもとに設定している。さらに,図9にCAD上で完成した四角形歯車の例を示し,図10に実際にワイヤーカット放電加工機を用いて製作した歯車装置を示す。歯車装置は滑らかに回転することが確かめられた。なお,創成法によりCAD上で歯切りをする場合,従属歯車の除去演算回数が非常に多いので,マクロ化して行うことが必要である。なお,CADに付随する作業手順を記録するマクロ機能を利用し,サブプログラム化すると簡単にプログラムができる。 代表的な歯切り方法として,創成法ほかに総形法がある。総形法による歯切り方法はインボリュート歯形の歯車のみ可能な方法であることから,歯形としてインボリュート歯形を適用し,非円形の歯車の試作を行った。 CAD上での総形法による歯切りも創成法によるものと同様に,基準歯車を描き,それに基づいて,従属歯車のピッチ閉曲線を作成する。その後,図11のように初めにCAD上で,その従属歯車のピッチ閉曲線より歯末のたけを考慮し,外側にオフセットした歯車のブランク(歯車素材)を製作する。そしてカッターに見立てた仮想インボリュート歯形の形状を作りピッチ曲線に沿ってブランクを除去しながら歯車を製作する。この方法で作った歯車装置は図1に示す。なお,歯の位置は,ピッチ曲線に沿って円周ピッチの間隔で配置され,1組の歯車がかみ合うためには,互いの歯の位置が互い違いになるようにしなければならない。つまり,従属歯車の歯の位置は,基準歯車に比べ円周ピッチ/2ずれることになる。

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