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5.採用選考における能力評価エンプロイアビリティの判断基準等に関する調査研究報告書平成13年厚生労働省職業能力開発局発表分類創発力思考と伝達挑戦力主体性と向上推進力実行と反省触媒力他者理解と連携協力して知恵を共有できる環境を構築し、創造力を自発的に育て発揮できる活力ある組織を開発できる。経験から学習し、新たな挑戦を積極的に行うことができ、経営者の右腕として行動できる。問題から逃げない勇気と行動力能力・判断への自信など的確な現実検討を行い、価値創造の方向を示し推進していくことができる。率先力と場の中心となる力役割立場の理解目標達成のための効率化など社内外に良好な信頼関係を構築し、常に部下育成に取り組み、組織活性化の原動力をつくることができる。内容状況と因果関係の把握ノウハウの共有新しい方法の工夫など上司の意向理解周囲からの信頼一段上の立場からの視点など内容例 面接試験の多くは複数回実施する。企業側からすると面接官を変えて,複数回実施することで多面的な評価ができ,書類等から持つイメージの相違を見ることができる意味がある。 面接官はあらかじめ用意した面接シートをもとに,質問をし,評価項目に従って点数化していく。 評価項目は,姿勢や態度を含め能力全般に及ぶ。 やや遡るが平成13年に厚生労働省が発表した「エンプロイアビリティの判断基準等に関する調査研究」報告によると当時注目された「エンプロイアビリティ」について,研究したものであるが,労働者個人の能力について,わかりやすく表した図があるので引用する。 この図からわかるように成果を出す具体的な行動には,動機や人柄を始め,思考特性・行動特性,性格,知識・技能のすべてが必要ということである。 すなわち,これらの能力の全体像を把握してバランスよく説明するとともに,成果の矢印の方向性を示すキャリアビジョンをセットで準備するのが,面接対策の具体的な内容となる。 成功体験や困難の克服体験などはよく質問される事項となっているが,この事例の中に能力発揮の場面を読み取れる工夫が不可欠となる。 コンピテンシー項目は中央職業能力開発協会をはじめ民間シンクタンクなど多数あるので,最も使用-24-しやすいものを念頭において整理するとよいであろう。筆者は生涯職業能力開発促進センターで開発された4つのコア能力(創発力・挑戦力・推進力・触媒力)を念頭において相談を進めている。(若手リーダー育成のためのコース開発研究会報告書 平成16年度 コンピテンシー(competency)面接では困難を乗り終えた経験などをあげさせ,その内容について具体的に掘り下げた質問をしていく。 この面接ではあらかじめ用意した模範解答をあてはめて応えるのが難しい。 相手の質問を受けてプレゼンテーションをする力が求められる(状況に応じたリアクション力)。 米ハーバード大のデイビッド.C.マクレランド(David C. McClelland)(心理学)が1973年に学歴や知能レベルが同等の外交官に業績の差が出ることに着目した研究をし,知識,技術,人間の根源的特性を含む広い概念として発表したものであるが,一般的には「高業績者の思考・行動特性」を言われる。これを知識やスキルを成果に結び付ける能力としてとらえると能力開発の対象としてとらえる試みは生涯職業能力開発促進センターで実施されていた。(「気づき)を活用した教育訓練手法によるコース開発研究会報告書 平成14年度) 成果が問われる現代では,コンピテンシーは大いに注目され,採用試験・能力開発でも活用されるようになっている。図4 労働者個人の能力技能と技術 4/20125.1 コンピテンシー面接図5 4つのコア能力として整理

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