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9.今後のジョブ・カードによるキャリア形成の充実に向けて9.3 高校以上の中等教育,高等教育で就職希望9.4 企業内のキャリア・コンサルティングの重者にキャリコンを実施することが効果的要性 私の経験では,中学2年時に“働くとは”に関する学習会を実施してみたところ,生徒の目の輝きから真綿に水がしみ込むような理解を示してくれた。ジョブ・カード様式を活用して学校教育の中でキャリア・コンサルティングを根付かせる環境ができればと思う。キャリア・コンサルタントの人材としては,企業内や人材育成機関等での実務経験を豊富に有した高齢者(厚みと広がりのあるスキルアップをした)の活用が考えられる。9.1 求人企業の応募書類にジョブ・カードを! ハローワーク等における求人企業の応募書類として履歴書,エントリシートをジョブ・カード様式として社会通念として一般化することは,求職者と企業等とのマッチングに好影響を及ぼすと確信している。 ジョブ・カードは第3者(認定キャリア・コンサルタント)によるコメントが記述され,内容の信頼性は高い。応募書類にジョブ・カードを活用する企業が増えると,①大学等においてもキャリア支援の一環として学生にキャリア形成の重要性を認識させることができること,②学生をはじめとした求職者に対してジョブ・カードの作成が必然性を伴った就職活動となること,などからジョブ・カード作成の理由が明確化され,キャリア・コンサルタントの説明・説得に要する負担は軽減され,本来のジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングに集中でき,ジョブ・カードの意義やメリットの理解に結びつく。(平成23年4月よりジョブ・カードセンターでは,ジョブ・カードを採用面接等の際に応募書類として活用する企業を「ジョブ・カード普及サポーター企業」として登録を推進しており,平成24年4月末時点で約12,000社にのぼる。)9.2 中学校において「働くことの意義」9)を通してのキャリア形成支援の機会を提供-7- 在学中に,数回程度のキャリア・コンサルティングを定期的に実施し,生徒のキャリア形成支援をきめ細かく対応することが効果的である。このことは,ジョブ・カード制度の雇用型訓練における訓練前と訓練後のキャリア・コンサルティングで実証済みである。 大企業では,それぞれ独自の方法で実施されているが,中小企業では,人材育成に課題を抱えているところが少なくないと実感している。 雇用型訓練の事例から,企業内の訓練実施計画(訓練カリキュラム,訓練計画表,評価シート)を活用するジョブ・カード制度の取り組みによって,経営者自らが汗をかいて人材育成に努めようとしていることを社員に見せることは,経営者および社員双方にとって非常によいシナジー効果が表れている。 企業の経営者は,人材の育成・確保が重要な課題であることはわかっていても社内の人材が活性化しない,成長しない,自ら考えて自立した仕事をしない等の悩みを抱えていることが多い。その課題解決にこの「ジョブ・カード制度」を導入した企業では,訓練実施に向けて,その到達目標を決め,訓練のカリキュラム等を作成し,実施する体制として,「訓練指導者・評価担当者」を従業員から選任し,訓練の進捗は日々の訓練日誌の記載によってその効果を見きわめている。導入した企業の声として,「一挙両得!」として「訓練実施により,自社が求める人材育成ができることはもちろん,教える立場の考え方,行動が変わり社員の雰囲気も良くなり仕事に対する取組姿勢が変わった。」「仕事に対する考え方,行動に自覚ができ,“なぜそうするのか?”“こうしたほうがよいのではないか?”の疑問,提案が出るようになり期待した以上の積極性が出てきた。」等の声を聞いている。 訓練による①知る喜び(学科),②わかる喜び(実非正規労働者への職業訓練1

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