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6.ジョブ・カード制度の活用によってもたら5.訓練実施するための課題と,それを乗り越えるための工夫された具体的な効果社内講師による座学講義Off-JTの実技として,芸北「100年農場」の見学-5- 複数の都府県にまたがり,かつ複数のグループ企業による訓練であっただけに,キャリア・コンサルティングや訓練実施に係る各種支援を検討し,次のように工夫することで,これを乗り切ることができた。⑴ 訓練生のジョブ・カード作成に係るキャリア・コンサルティングについては,雇用・能力開発機構の理解による支援で,同機構の東京および広島センターに所属する登録キャリア・コンサルタントが実施した。(その他の訓練生は,広島で直接面談により,広島商工会議所の登録キャリア・コンサルタントが実施した。)⑵ 複数の都府県に所在する6店舗の指導者・責任者に対する「訓練指導・評価担当者講習」は,「テレビ会議方式」(広島から発信)により実施した。⑶ 第1回目の訓練終了後のキャリア・コンサルティングは,「テレビ会議方式」により広島商工会議所所属の登録キャリア・コンサルタントが実施した。⑷ 第2回目の訓練では,最初のジョブ・カード作成時,および訓練終了後のキャリア・コンサルティングは,それぞれ広島から「テレビ会議方式」により,広島商工会議所所属の登録キャリア・コンサルタントが実施した。 以上の工夫が功を奏して,訓練も円滑に実施でき,社内および訓練生からも非常に高い満足感を得ることができた。具体的には次の諸点をあげることができる。⑴ 複数の都府県にまたがる企業グループの統一的な訓練が円滑に実施できたこと。⑵ 有期実習型訓練が,これまで毎年実施していた正社員登用研修にも有効に活用できることが実証されたこと。(特に,キャリア・コンサルティングの実施が有効であった)。⑶ 訓練実施のねらいどおり,訓練生のキャリア・ビジョンの形成や主体性の確立に繋がったこと。⑷ 訓練終了1ヵ月後にもキャリア・コンサルティングを実施したことにより,訓練生のさらなるモチベーションの向上に繋がったこと。 そして,その成功要因としては,以下のような「明確な基本方針+テレビ会議の活用+広島商工会議所および雇用・能力開発機構による支援」に尽きると考えている。① ジョブ・カード講習を受講した担当の部長・係長が,今後の人事制度に「ジョブ・カード制度」を取り入れることに対して,強い意向を持っていたこと。② それを具現化するために,関係者間での緊密な連携により意識の共有化が図られたこと。非正規労働者への職業訓練1

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