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3.ジョブ・カード制度の活用に取り組んだ 1.はじめに2.雇用型訓練とは目的1特集 広島商工会議所では,平成20年6月より日本商工会議所より業務委託を受けて「ジョブ・カード制度」の普及促進に取り組んでいます。前号と今号の2回にわたり,その取り組みを紹介します。 前号では,広島県の専門学校 学校法人上野学園におけるキャリア・コンサルティングの取り組みを報告しました。 今号では,広島県の企業グループ アンデルセングループにおける,雇用型訓練の導入・活用促進の取り組みについて,その内容と成果を報告します。 雇用型訓練には,新規学卒者を中心とした方が企業との雇用関係の下で,6ヵ月以上2年以下の訓練期間で実施する「実践型人材養成システム」と,フリーターなど正社員経験が少ない方や新規学卒者が企業との雇用関係の下で,3ヵ月超6ヵ月以下の訓練期間で実施する「有期実習型訓練」があります。 その成果は,平成24年3月末現在訓練終了者288人の中,正社員登用者208人,正社員率72.2%となっています。(全国16,877人,正社員登用12,625人,74.8%)-3- 複数の都府県にまたがる事業所を有するパン・菓子製造業のアンデルセングループ(㈱アンデルセン・㈱タカキベーカリー・㈱マーメードベーカリーパートナーズ)では,これまでもパートタイマーおよびアルバイト従業員を正社員に登用するに際して,グループ企業として統一的な訓練の実施を望んでいたところ,広島商工会議所からの奨めにより,「有期実習型訓練」を活用することになりました。(グループでは,教育体系図に基づきoff-JTの新入社員秋採用教育を実施していた。2)) そこで,訓練の実施に当たっての基本的な考え方として,次の3点を明確にしました。⑴ グループ社員として,また社会人としての自立と,自らのキャリア・ビジョンを持ち,主体的に仕事に取り組める力を身につけること。⑵ 「自分の仕事に夢を持つ」こと,「目指すべき姿」について,その考え方や内容を明確にして,アンデルセングループ全体での理解を深めるとともに,同期生の横の連携を深めること。⑶ 訓練のねらいを「心(働くことの考え方)」,「知識(仕事に必要な知識・マナー)」,「技術(働くうえで基本となる技術)」の習練および向上すること。非正規労働者への職業訓練1広島商工会議所 広島県地域ジョブ・カードセンター今村 榮一  非正規労働者への職業訓練 キャリア・コンサルタントによる社員登用制度の品質向上キャリア形成支援に関する取り組み②

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