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4.いぐさの利用図14 古紙の多孔質炭素材料20)  (左から,古紙,フェノール樹脂含浸材,焼成材)図15 いぐさの吸着性能21)図16 いぐさと建築廃材炭の複合材の吸着性能21)-31-図17 いぐさの調湿性能21)とが可能となる。付加価値をプラスした多孔質材料の新しい用途の開発が期待できると思われる。 建築の和風住宅を代表する畳の原料であるいぐさの新たな有効利用を探った。現在,吸着性能,調湿性能,そして電磁波特性について調査しているが,ここでは吸着性能および調湿性能について述べる。 図15は,いぐさ[㈱イケヒコ・コーポレーション社製]のアンモニアガスの吸着性能について評価した図である21)。比較として,木炭,建築廃材炭[株式会社丸勝小野商事社製]を示す。[C:ボード状のCharcoal,Rush(P):粉末状のいぐさ,Rush(S):粉砕したいぐさ] 図より,いぐさも木炭等と同様に吸着性能を有しているのがわかる。 また,いぐさの利用範囲を拡大するために,いぐさに他の材料を複合化させた新たな利用について検討している。ここでは,いぐさと他材料の複合材料に関する吸着性能と調湿性能のデータを紹介する。 図16は,いぐさに建築廃材炭を混ぜ合わせた複合材の吸着性能について評価した図である21)。[R(P)+W:粉末状のいぐさと炭化した建築廃材の複合材,粉砕したいぐさと炭化した建築廃材の複合材] 図より,いぐさの持つ吸着性能と建築廃材炭の持つ吸着性能が合わせあって,吸着性能が向上すると考えられる。製品化に向けて今後詳細な検討が必要である。 図17は,いぐさの調湿性能について評価した図である21)。[C:Charcoal,B:Brank,R+W:いぐさと炭化した建築廃材の複合材] 図より,いぐさも,木炭と同様に,調湿性能を有しているのがわかる。建築分野での畳材としての利用の他,建物部材の壁材の仕上げ材等への利用が考えられる。今後,詳細な検討が必要である。実践報告

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