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0%0%20%正社員5.9パート22.3アルバイト21.1契約社員15.8嘱託12.0派遣社員22.1請負会社社員4.3定型・補助的業務のみに該当定型・補助的業務には該当しない資料:JILPT「多様な就業形態に関する実態調査(従業員調査)」(平成22年8月実施) (注) 管理、企画、判断、専門、定型、補助の6つの業務類型について、定型又は補助    だけを挙げた人、それと併せて他の業務も挙げた人、定型又は補助を挙げなかっ    た人に区分して集計した結果である。図1 業務類型/定型・補助業務かどうか40%60%80%79.053.210.452.613.566.09.467.712.069.272.510.1定型・補助業務のほか他の業務にも該当無回答100%10.24.814.212.88.8アルバイト8.34.74.113.0請負会社社員資料:JILPT「多様な就業形態に関する実態調査(従業員調査)」(平成22年8月実施)図2 能力開発に積極的に取り組んで  いるとする割合(会社と自分)1020正社員パート15.722.318.4契約社員20.5嘱託20.2派遣社員14.0会社が積極的だと思う自分が積極的に取り組んでいる30405029.238.129.631.029.828.526.129.0能力開発への取り組み図1 業務類型/定型・補助業務かどうか図2 能力開発に積極的に取り組んでいるとする割合-19-(会社と自分) こうした職業構成を念頭において,次に,従事している業務類型に関する調査結果を図1で見てみましょう。紙幅の関係から図1のデータの意義はその脚注に委ねたいと思いますが,これをみると,パートや派遣社員では,22%の人が自分の業務は「定型・補助」の業務であり,それ以外の業務はほとんど含まれていないと回答しています。アルバイトも同様の状況にあります。このように,非正規雇用者には業務レベルとして底辺を形成する業務を担当している場合が多いことが,調査からも明らかになっています。一方,正社員では,「定型・補助」のみであるとした割合は5.9%にとどまっています。また,ここではデータをあげる余裕はありませんが,パートや派遣社員を中心として,勤続を重ねても担当する業務レベルが必ずしもアップしない場合が少なくないという問題もあります。すなわち,キャリア形成ができにくい状況が垣間見られます。 このこととも関連して,能力開発の取り組みに関する積極度をみたのが図2です。各形態ごとに上の棒グラフが会社の,下の棒グラフが自分自身の,それぞれ積極度を示しており,積極的に取り組んでいると回答した割合を掲げています。正社員に比べて,請負会社社員を除き,非正規の各形態において企業,自分自身とも積極度が低いという結果となっています。形態間の比較では,パートや派遣社員で会社の積極度が相対的に低いこと,一方,自身の取り組みについてはパートがやや低くなっているものの,他の形態では派遣社員を含めて30%内外の人が積極的であることなどがみてとれます。 能力開発について自身が積極的に取り組んでいないと回答した人にその理由を訊いた結果をみると,「費用がかかる」(非正規雇用者計で31.8%),「家事・育児・介護などのために時間がとれない」(同28.9%),「職業能力の向上が賃金や処遇にあまり反映されない」(27.7%)などが多くなっています。「家事等で時間がとれない」はパート(41.5%)などで,「費用がかかる」は派遣社員(54.5%)や契約社員(40.1%)などでそれぞれ多くなっており,また,「処遇への反映があまりない」は請負会社社員(35.7%)や契約社員(34.2%)で相対的に多くなっていますが,パート(25.2%)や派遣社員(25.5%)でも4分の1程度あり,共通した要因となっていると考えられます。これらの阻害要因を克服しつつ,非正規雇用者の能力開発を一層進めることが,業務レベルのアップやキャリア形成に繋がるためにも必要だと思われます。 本稿では,非正規雇用に関する基礎的な解説に重点を置き,これからの課題等に関してはほとんど触れられませんでした。以上のような基礎的な知識を活用されながら,読者諸氏がそれぞれの立場で,多様な状況にある非正規雇用者個々人と向き合いつつ課題解決に向けた活躍をされることを期待しておきたいと思います。調査研究報告

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