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ており,有期であることが一般的であるといえます(無期は19.8%)。しかし,現在の会社での勤続年数が短いわけではなく、例えば勤続10~20年未満の割合は16.9%で,正社員(26.9%)には及びませんが,パート以外の非正規雇用形態に比べれば最も高い割合となっています(非正規雇用全体では13.8%)。 それ以外の属性をみると,女性が88.8%で大部分を占め,10歳きざみでみると40代(29.4%),50代(24.3%),30代(21.4%)が多く,また,73.1%が主たる生計の担い手は「自分以外」と回答しています。パートの太宗はまだまだ家庭の主婦層であることが反映した結果でありましょう。(アルバイト) アルバイトは有期雇用で就業の継続性が相対的に低い働き方ですが,「臨時雇い」とでもいったものとして観念される場合が多いと考えられます。特段の定義は見当たらず,各種の統計調査においても職場の呼称に基づき調査されています。したがって,広範な属性の人々が含まれています。 JILPT調査によれば,アルバイトで週の所定労働時間が35時間未満の人の割合は51.0%で,35時間以上も46.4%います。無期か有期かをみると,67.4%が有期,無期は22.4%と,有期が多いのですが,期間を定めていない場合も結構あるようです。とはいえ,期間を定めている場合には,6ヵ月未満が23.9%(パートでは8.6%)と相対的に多くなっています。 それ以外の属性をみると,男性43.8%,女性55.9%と女性がやや多い程度です。年齢は,20代(32.4%),30代(21.1%)の次に60代(16.8%)が多いなど,広範な年齢層に分布しています。また,56.9%が主たる生計の担い手は「自分以外」と回答しています。(契約社員) 契約社員は,主にフルタイム就業型の有期雇用の働き方であるといえますが,週の所定労働時間をみると35時間以上が78.5%と多いものの,35時間未満も16.8%います。有期か無期かでは,有期雇用が92.3%とほとんどが有期と回答しています。有期の契約期間をみると,1年以上が72.0%と相対的に多-17-いのが特徴といえます(パートでは63.1%,アルバイトでは40.5%)。 それ以外の属性をみると,男性39.0%,女性60.5%と女性がやや多くなっています。年齢は,30代(29.2%),20代(20.7%),40代(20.1%)が多くなっています。また,47.6%が主たる生計の担い手は「自分」と回答しており,「自分以外」の49.8%と拮抗しています。(嘱託) 嘱託は,働き方としては「契約社員」とよく似ています。週の所定労働時間をみると35時間以上が76.9%,35時間未満が18.1%となっています。有期か無期かでは,有期雇用が91.8%とほとんどが有期です。有期の契約期間をみると,1年以上が86.8%と契約社員よりも割合が高くなっています。 それ以外の属性をみると,男性60.8%,女性39.1%と男性が多くなっています。年齢は,60代が49.6%とおよそ半数を占め,次いで50代15.9%などとなっており,比較的高年齢の人が多いといえます。また,66.8%が主たる生計の担い手は「自分」と回答しています。(派遣社員) 派遣社員は,「労働者派遣法」(「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」。本年10月からは題名が改正され「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」となります。)に基づき,労働者派遣の対象となる労働者のことと定義されます。同法によれば,「労働者派遣」とは「自己の雇用する労働者を,当該雇用関係の下に,かつ,他人の指揮命令を受けて,当該他人のために労働に従事させること」と定義されています。雇用関係は派遣元(労働者派遣事業者)と派遣労働者の間にあり,派遣先事業主と派遣労働者との間は指揮命令を受け労働するという関係にあり,いわば3角形の関係を形成しています。派遣元との雇用関係が派遣されている間だけ存在する一般派遣(「登録型派遣」)と派遣されているかどうかにかかわりなく常時雇用されている特定派遣(「常用型派遣」)の2つに大別されます。調査研究報告

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