1/2012
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インバータ/AC 切替機本体内部運用中の本体技能と技術 1/2012①バッテリーの電圧をマイコンで監視し、11.3V以下になったら、インバータを止め、通常のAC電源に切り替える。②バッテリーの電圧が、12.7V以上になったら、再びインバータを起動し、インバータAC電源に切り替える。 この場合、インバータ電源をOFFするときとONにするときの電圧が異なっています(プログラム中に記載)が、これは、たとえば、バッテリー電源が11.3V以下になってインバータを止めると無負荷状態になり、すぐに12.0Vぐらいまで電圧が回復するためです。しかし、この程度の電圧で再びインバータを駆動すれば、また、11.3V以下になってしまうため、結果として充電が行われない状態で、切り替えが頻繁に行われてしまい、現実的でないためです。ソーラーパネルに太陽光が当たり充電が開始されれば、再び、12.7V以上になってきますから、そこで再びインバータ電源に切り替えてやろうというものです。5)自動切り替えのための回路 この切り替えシステムの要となるのは、バッテリーの電圧を監視することです。これには、マイコンを使います。今回は、電圧のモニターを行うなどの必要最小限の機能を実現できる機能を満たすマイコンとして、A/Dコンバータを備えたPICマイコン16F819を使うことにします。実際のバッテリー電源をモニターするため電圧を表示する機能も付けました。通常7seg表示にはMC14511などのドライバーを使いますが、部品点数を減らすために、今回は使用していません。また、ACを切り替えるリレーには、接点容量が5A以上のパワーリレーを使います。回路図は30ページのとおりです。 また、プログラムは次のようにしました。 インバータをOFFするときの電圧、11.3VやONするときの電圧12.7Vは、私の経験値であり、絶対的なものではありません。もっと、バッテリーの放電深さ(深いとは、バッテリーをより使いきる方向)を小さくしたいときは、OFFするときの電圧を11.5V〜12.0V程度にしてもよいでしょう。より深い放電を行うと、一般的にはバッテリーの寿命は縮むようです。 プログラムでは、電圧のチェック頻度を抑えるため、電圧表示のルーチンをloop変数により、64回繰り返しています。このループを入れなければ、電圧チェックはほぼリアルタイムに行われますが、電圧の表示が頻繁に変動することがあります。 回路が完成して、マイコンにプログラムを組み込んだら、マイコンをソケットに装着し、電源部分に電圧をモニターできる安定化電源を接続し、電圧を12.0Vに設定し、回路に流します。 回路が正しく動いていれば、3桁の7セグLEDに数字が表示されます。数字が表示されている状態で、50kΩの半固定抵抗を回し、電圧が、小数点第1位まで合うように調整します。−28−

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