1/2012
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 昨年3月の東日本大震災では、大きな揺れによる建物被害や経験したことのない最大級の津波、また、原子力発電所の事故と、私たちのこれまでの生活を考え直さざるを得ない状況に直面しました。とりわけ、電力の問題は、これまで、火力や原子力にウエイトを置いてきた考え方を転換していかなければいけないことにもなってきました。 その対応の一つとして、個人や小さな企業体、学校などでも自ら手掛けられそうなのが、ソーラー発電のシステムです。筆者も、微力ながら、昨年5月ぐらいから、小規模なソーラーシステムを導入して、運用実験を行ってきました。その結果得られたいくつかの経験を基に、実用的な小規模ソーラー発電システムについてレポートしてみたいと思います。1)最初に構築したソーラーシステム まず最初に手掛けたのが、15Wほどのソーラーパネルと12V-12Ahバッテリーを組み合わせた、最も単純な蓄電システムでした。昼間バッテリーに蓄えた電力を使って、LEDを使って改造した室内シーリングライト(DC12V駆動)と、12Vで直接使える19インチデジタルテレビを動かすことでした。 この程度でも、1日3時間ほどの運用をほぼ、毎日続けることができました。 これは、思ったよりもうまく運用できると感じ、パネルに120Wのものを導入し規模を拡大することにしました。2)車用DC/ACインバータを使ったシステム 現在の電化製品ではDC12Vで直接使えるものはほとんどなく、ソーラーパネルのワット数を大きなはじめに−25−実践報告宮城障害者職業能力開発校 新妻 幹也発電状態モニターパネル120Wソーラーパネル(一階の屋根に設置)12V 50Ahの密閉型バッテリー ―震災を経験して―実践報告実践報告実践報告実践報告ソーラー電源とAC電源を自動切り替えするシステム

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