4/2011
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8-3 訓練回数と質の向上1 訓練指示を覚える。   ↓2 訓練指示を理解する。   ↓3 訓練指示を行動に移す。8-4 就労後への展開る。この場合も1セクション(おおよそ3分)DVDを見せ、5分の時間でポイントや感想等を書かせる。それを5回繰り返すことで、一般的なDVD鑑賞と同じ時間配分で、しかも集中を持続させたまま、取り組ませることができる。 こういった工夫を、今まで自分ができなかったことに応用すれば、新たな自分の開発につながるのではないか。 当トレーニングにおいて、いかなる訓練指示においても、繰り返し行うことで回数を追うごとに質が向上することがわかった。このことを、これからの様々な訓練に活かすことができる。 指導者が訓練指示を出した際、訓練生は以下のような流れで作業に入る。 1度目の訓練では、上記の1〜3の全てに時間がかかってしまう。そこで8-2で述べたように、時間を短く区切って取り組ませることで、集中力が持続し、質の高い作業をさせることができる。 また、同じ訓練を繰り返せば、上記の1〜3を同時に行うことが可能になり、作業効率は1回目よりもよくなる。さらに訓練を繰り返せば、上記の1〜3に「指示」だけであった作業手順に「思考」が伴うようになり、作業の質は格段に上がる。こうなると、短時間での作業が可能なのはもとより、訓練で作成されたものは、商品として提供されるにも耐えうるものである。当トレーニングが、就労先でも活かされることを期待する。就労先の現場担当者からの指示を覚え、理解した後、行動(作業)をスムーズに行うことである。 我々指導員は、訓練生に上記の3つの力を向上させることで、どこの会社・事業所にも通用する人材育成に努めている。 当トレーニングを活用し、より良い訓練を導入するために、以下のような点に留意し、訓練内容を吟味する必要がある。覚えやすさ ・短期記憶や長期記憶の利用 ・体(手)で覚える ・目視ほか(目や耳で覚える)理解のしやすさ ・知的に理解しやすいか ・体(手)など洞察的に理解作業のしやすさ ・仕事の動線などを含む ・時間や仕事、環境問題など 九九については、あらかじめ記憶表(掛け算の唄)、一覧表などを配布し周知しておいた。 また、発展問題として、100マス計算(4マス・9マス・25マス・49マスを含む)、カートン、グロス計算、ローマ字入力 赤坂(AKASAKA)、数トレ四則計算(足し算・引き算・掛け算は当論文・割り算・割り算余りあり)各スタート問題を使用した。 軽度知的障害の訓練生にとって、覚える(記憶)→理解する(考える)→作業する(行動する)をテー9.補足10.おわりに技能と技術 4/2011−6−・記憶力  ↓・理解力  ↓・行動力(作業)8-5 訓練内容の見直し

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