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図8 6脚式歩行ロボットの設計図9 歩行テスト技能と技術 4/2011図10 二足歩行ロボット 製作したロボットと歩行テストの様子を図8及び図9に示す。脚機構等の簡素化により、エネルギー消費が少なく、重さも約10kgと軽量化することができた。3つの脚が、同時に水平移動するため1脚ごとに接地ポイントを選ぶことはできない。しかし、作業が優先される歩行ロボットに求められる性能としては、その歩行姿勢の優雅さではなく、3脚支持により姿勢が力学的に安定化していることが求められること、また制御の簡素さのためには自由度が少ないことが求められる。このロボットは、野外における観測や探査ロボット、あるいは、重機のように油圧駆動を用いた大型運搬ロボット等として活用できるのではないかと考える。 図10は、図8と同じリンク機構を持つ二足歩行ロボットである。ある一定以上の大きさの二足歩行ロボットは簡単ではない。それに合ったモータが少ないからである。それを補うのがメカニズムである。しかし、二足歩行は人間に任せた方がよいかもしれない。一方、さまざまな機械やロボットの設計製作は、人間の便利さを追求するだけでなく若者にモノづくりのおもしろさと夢を与えている。コンピュータとメカニズムの工夫次第では、まだまだおもしろい「現代のからくり」が生まれるのではないだろうか。「人々を驚かせたい」、そんなモノづくりに情熱を燃やす若い「からくり儀衛門」が育って欲しいものである。5.おわりに−28−参考文献:(1) 平塚剛一、現代のからくり、新潟職業能力開発短期大学校2007市民公開講座資料(2) 平塚剛一、森公秀 他、伸縮と旋回関節を併せ持つ6脚式歩行ロボットの開発、ロボティクス・メカトロニクス講演会2002講演論文集、rm2073(2002.6)(3) 立川昭二、からくり、法政大学出版局

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