4/2011
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学び、着実な成功体験を積むことにより自信の回復を図ることは精神障害・発達障害・高次脳機能障害等の認知面の障害(記憶、注意、感情、思考等)を有する者には特に有効であり、ひいては訓練科の適切な選択や本訓練へのスムーズな移行、職業訓練においてより一層効果的な技能指導や支援面が可能となることが効果として挙げられる。 しかしながら、新たな導入訓練の運用には人的コストが従来の訓練以上に必要なこと、トータルパッケージの活用には、導入訓練段階では、活用スキルと分析スキルが、本訓練移行段階では、結果の伝達スキルと結果の解釈スキルが、本訓練場面では、応用スキルの習得が必要であり、導入訓練の担当部署のみならず、センター全体の職員のスキルレベルを維持することが課題として挙げられる。この新たな導入訓練については実施から約4年を経過している中で、導入訓練対象者の入所回数や入所者数の増加により、年間における実施期間の設定や指導体制上のマンパワーが不足し、効果的かつ効率的な導入訓練の運用方法について今後も引き続き検討していくことが必要となっている。 また、昨今の雇用情勢が厳しい中で、発達障害者等をはじめとする「職業訓練上特別な支援を要する障害者」の職業訓練ニーズは以前に増して強くなっており、入所者に占める割合も毎年増加している。職リハセンターにおいても、従来に増してより柔軟な受け入れ体制の整備や個々の障害特性に応じた適切で効果的な職業訓練技法(技能指導・適応支援)の開発・試行等に取り組むことが求められており、障害者の職業能力開発施策のより一層の充実が図られるよう微力ながら努力していきたいと考えている。技能と技術 4/2011−12−

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