3/2011
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 「ものづくり」を主体とした訓練を行う現場の多くで、「ロボット」をテーマにした教材や、研究テーマを設定することが、めずらしくなくなっています。その中には、いわゆる「2足歩行ロボット」のような関節を動かすようなものもあります。 この場合、多くの関節を動かす必要が出てくるため、この部分にラジコンで昔からよく使われる「サーボ」を使うことが多くなってきました。 そこで、今回は、このサーボをPICマイコンを使って制御するための基本的な部分について述べたいと思います。その基本的な原理を理解すると、関節タイプのロボットを作成することが大変容易になりますので、参考にしていただければと思います。①サーボの種類 ラジコン用のサーボは、そのトルクや回転スピードなどによって多くの種類があります。メーカーもフタバ、KO、サンワ、JRの他、海外メーカーのものもあります。しかし、その制御信号はほとんど同じですから、ほぼ、どのメーカーのものでも、トルクやスピード、ケースの大きささえ考慮すれば、使えるはずです。②ラジコン用サーボ駆動回路 ラジコンのサーボは、もともとラジコン飛行機やラジコンカーなどで、機械的に尾翼を動かしたり、エンジンのスロットルを動かしたり、ステアリングを動かしたりするために作られたものです。その特長は、送信機の各操作に比例したような位置で、サーボの回転位置も止まるということです。これは、大変便利なもので、車のステアリングなら、例えば、平行位置から、10度の角度で保つことも可能だということです。 この便利な機能を使って最近では、2足歩行ロボットの関節に多用されています。これまでは、ラジコンのサーボをこのような用途で使うとは、ラジコンの各メーカーでも想定はしていなかったと思います。 通常、サーボは直接ラジコンレシーバーに付けて使いますが、ロボットでは、レシーバーから出る制御信号と同様のものをマイコンで作ってやることによって動かすことができます。 サーボを動かすためには、前述したようにある一定の周期の矩形波信号を送ればよいということでした。その周期は、図2の解析のように14.26msec、周波数で言えば70Hzぐらいです。1.はじめに2.サーボ機構−29−実験ノート宮城障害者職業能力開発校 新妻 幹也図1 サーボとレシーバー ラジコンサーボ駆動プログラムPICマイコンによる

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