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3.2年次の取り組み定があるかを確認させ,あれば見学等に出向くなど準備を行うよう指示した。 2月末から春休み前には,就職活動に対する意識付けと喚起を促すために,次年度(平成21年度)の就職戦線の厳しさ,就職できなかった場合の悲惨さを話したりした。具体的な例としては,①今までは4年制大学の学生が就職先として眼中になかった中小・零細企業などに進出していること,②就職できずにアルバイトをすることになった場合,次に正社員になることはかなり難しくなること,③新卒の学生が中途採用の求職者より遥かに優遇されていることなどである。 年度が明けた4月からは図5に示すシートを使用して各人の就職活動状況を毎月初旬に確認することを始めた。確認のために活動内容の記入様式を作成し,会社名,活動日,活動内容,次回以降の予定または結果を記入してもらった。それをもとに個々人がすべき行動や対策を考え,対話の時間を少しでも作っては指示を出した。活動状況の悪い学生には,インターネットを活用して求人票を学生ごとに検索し,企業へ連絡を取るように指示を行った。また,連絡の有無の確認は必ず行い,取っていない場合には理由を聞き出し対応を考えた。 また,同級生の就職活動の状況を学生同士が知り,就職活動意識の向上をねらい,各自のそれを月ごとにまとめるためのものを掲示した。 5月には,ジョブ・カードを用いたキャリア・コンサルティング,必要な資格,進路希望の確認を行い,週に100分ではあるがSPIや一般常識問題などを解く時間をとり,筆記試験対策も始めた。また,学生が求人票等で見落としがちな会社の加入保険の話を行った。これは実際に尋ねてみると,雇用保険や労働災害保険,厚生年金保険,健康保険のことを知らない学生が多かったため,彼らが支払わなければならない保険料を考えれば入社してから苦しむことのないように必ず押さえておくべき重要なポイントであるとして話をした。 合同企業説明会についても対応する学生に案内を行い,月ごとの就職活動状況の記入様式や就職活動報告書で予定,結果の確認を行った。特に6月からは夏休みを中心に合同企業説明会を行う地域が多いため「合説どっとこむ」(http://gosetsu.com/)や商工会議所のホームページなどで開催日時のチェックをして,随時案内を行った。 夏休みに入ってからは電話にて情報を伝え,履歴書の修正点の確認などがあれば登校してもらうなどして対応した。また,実家が遠方で地元での就職を希望している学生については,帰省している間に就職活動ができるようにあらかじめ求人票を用意して持ち帰らせ,電話にて状況確認を行った。その間にこちらで新しく求人票を取得した場合には,コピーしたものを郵送で送付するなどして対応した。 2年生の夏休みが明けると職種や勤務地など希望に沿わない条件が増えていき,求人を検索しても該当するものがない状況が発生してきた。そこで,1年生の前期に行った進路希望調査をもとに面談を行い,職種や勤務地の範囲拡大,希望給与額の引下げなどについて本格的に軌道修正を行った。その情報からインターネットを活用して求人票を学生ごとに検索し,企業へ連絡するよう指示した。また,求人の有無にかかわらず,気になる会社があればリストアップし,電話等で採用予定について連絡を取るようにした。 就職活動の初期の段階は,ほとんどの学生が,1件ごとに結果を待つという状況であったが,就職活動の終盤期には,強制的にどんどん面接に行かせ53.1 確認と対策図5 就職活動報告書の活用事例1/20113.2 最終決戦に向けて

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