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ISCΔiacPPVIPVfsfsVPVVminΔiacVPV 3.3節で説明したMPPT制御をモデル化する方法はさまざま考えられる。図9にその一例を示す(9)。太陽電池の発電電圧VPVに発電電流IPVを乗じて発電電力PPVを計算し,ゼロ次保持,コンパレータ,XORゲート,Dフリップフロップ,マルチプレクサ,積分器等を組み合わせてMPPT制御を実現する。MPPT制御では,PPVがPmaxとなるようにIPVを変化させるが,本システムでは,交流電流iacの波高値Iacmaxを変化させることで間接的にIPVを変化させる。図9の制御回路には,VPVが所定の値Vminを下回るとIPVを強制的に低下させる機能も付加している。これは,IPVがIOPを上回ると急激にVPVが低下し,それによって動作が不安定になるのを防ぐ働きがある。 図10にパワーコンディショナのシミュレーション回路を示す。主回路の直流電源は太陽電池モデルになっている。パワーコンディショナでは,MPPT制御回路によって発電電力が最大となるように交流電流指令値iac*が生成されることになる。すなわち,系統連系PWMインバータの制御回路の交流電流指令値生成回路がMPPT制御回路に置き換わることになる。ただし,MPPT制御回路を組み合わせる際には,新たに太陽電池の電圧VPVおよび電流IPVの信号を取り込む必要がある。 MPPT制御回路では,いくつかの制御パラメータを設定しなければならない。例えば,PPVの大小関係を比較する周期に対応した周波数(図10の“fs”)や,Iacmaxの増減幅(図10の“Δiac”)などである。これらについては,シミュレーション結果を検討しながら値を決定する。 図11にシミュレーションの結果を示す。同図(a)は,ISC=0.75Aの場合の結果である。計算開始後,IPVが増加するとともにVPVがわずかに減少してい技能と技術電圧位相信号の振幅を「1」にする 4.4  最大電力点追従(MPPT)制御のシミュレーション図9 最大電力点追従(MPPT)制御回路モデル28図10 パワーコンディショナの    シミュレーションモデルvac0IPVfsfsiac* IacmaxVmin

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