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 ステップ1の終了後にシステム・ユニット訓練のマシニングセンタ加工基本に入る。WEDMの訓練で単純なNCプログラムや加工段取り作業は慣れてきている。したがって工具長や工具交換,多工程な4.1 NCワイヤ放電による自由課題(ステップ1) 入所して4ヵ月目にシステム・ユニット訓練によるNCワイヤ放電加工(WEDM)の訓練をする。プログラムや段取り,加工作業を行う。 ステップ1の訓練課題は,習得した技能を確認しながら進めていく。2次元CADで図面を描いた後,座標を求めNCプログラムを作成する。プログラムは,すべてマニュアル入力(手打ち)で行う。機械が1台のため他の訓練生の加工が終わらず加工待ちになったら,NCシミュレータでできるだけ多くの形状に挑戦する。または報告書の作成にあてる。機械加工の未経験者ばかりなので単純な形状加工を繰り返し,プログラムや機械に慣れていく。 自由形状としたため“私の考えた品物を作れる”ということで“ものづくりの楽しさ,おもしろさ”を実感できる。加工終了後に,各自が報告書を作成し,プログラムや加工作業の評価を自ら行う。4.2 印鑑ケースの設計製作(ステップ2)ど複雑な作業でも理解が容易となり積極的に取り組んでいる。 ステップ2の訓練課題は,だれもが形状や機能を知っている印鑑ケースである。訓練生が考えた機能やアイデアが盛り込まれた印鑑ケースを2人1組で協力し作る。2次元の図面と3次元のモデルは,システム・ユニット訓練の実習で作成している(図10)。材料は,加工が容易なアルミニウム合金を使用し,訓練生自身が素材から切り出し,フライス盤で所定の寸法公差に仕上げた六面体を使う。使用工具や切削条件,加工工程(図12)などすべてを2人で調べながら,計算しながら進めていく。プログラム作成は,習得度を上げるためマニュアル(図13)で行う。CAMは,いっさい使わない。段取りや加工作業は,2人で順に行い作業に偏りがないようにしている。加工待ち時間ができたら,NCシミュレータでのチェックや報告書の作成に充てている。 ここでは,①マシニングセンタ作業関連の技能・知識を習得する。②自ら企画・設計した製品を加工し,設計検証をする。③2人で協力し作業分担して,必ず品物を完成させ達成感を味わう。また,成果物(図11)や報告書(図14)により目標の達成程度を評価する。技能と技術図8 成果物と報告書図9 NCワイヤ放電加工機と自由形状の製品14図10-1 機能設計図10-3 組立・意匠設計図11 完成品(成果物)図10-2 公差を考慮した図面

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