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4.測定器を使った視覚による確認写真6 配線パターン引き実習の様子写真7 高力率インバータ蛍光灯パターン図4写真8 蛍光灯点灯時の電極間電圧波形ら」と言われていたのを覚えているが,パターン製作を行うのは,そういった技能,技術を身につけることを目指す一歩にしたいという思いがあるからである。 写真6に製作中の様子および写真7に製作したパターンの一例を示す。パターンは力率改善型インバータ蛍光灯のパターンである。 パターンが出来上がると,露光・エッチング・穴あけをしてプリント基板を製作し,部品の取り付け半田付けとなる。 半田付け作業に入る前にパターンの不良はないか,テスタでチェックする癖をつけさせる。これはパターンが接近している箇所で,エッチング不良等により細かなパターンの接触による短絡があるからである。また,細いパターンの切断している箇所もまれにある。 半田付け作業中は,抵抗,極性のある部品の取り付け間違いがないよう十分注意する。カラーコードを覚えていない学生に,抵抗の取り付け間違いが多くみられる。半田付け不良には特に注意する。目玉・イモ・ツノ・ヒビ・ブリッジ・半田くず・リード接触等,不良パターンについて十分認識させ作業に入る。半田付け不良は加熱不足が多いので,リードおよびパターンを十分加熱するよう指導する。 シリーズ型およびスイッチング型電源を制作していた頃,学生たちから出来上がって動きがすぐに見えないので,何をしているのかわからないといった意見をよく聞いた。 そこで新たに製作課題として取り入れたのが,力率改善型インバータ蛍光灯である。完成してスイッチをオンすると正常に動作すれば蛍光灯が点灯するのですぐわかる。自分が製作した蛍光灯が点灯したときの喜びからか,「オッ! 点いた」という声が思わず出るようである。 しかし,ここは学習の場である。無事点灯しただけで終わらせるわけにはいかない。動作原理を学習させる必要がある。 「蛍光灯を点灯させるには,電極(陰極)に電流を流して加熱する。ここで高電圧をかけることで高温になったエミッターから大量の電子を放出させる。放出された電子はもう片方の電極(陽極)に移動し,放電が始まる。この高電圧を発生するのに直列共振を使っている。……」などと黒板に書きながら説明し学生たちのほうを振り返ると,もう何人かが伏せている。さすがに製作を途中で投げる学生は技能と技術

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