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9.技術の継承と人材育成⑶ 漆 喰 土だけでなく,石灰(消石灰)を海苔で練り上げる漆喰は左官の仕上げとして重要な部分である。漆喰仕上げは,城郭・土蔵・土塀・社寺仏閣などに多く使われる。異色として「パラリ壁」があり,御所や桂離宮などに施工される。ほかに「漆喰磨き」などがあり用途は多い。 京都には重要文化財が多くあり,特にこれらの技能の継承が重要である。文化庁(文化財)においてもこれら文化財の修復技術の継承に危機感を持って4/2010おられるようだ。 現実に技能者の老齢化が進み,それに比例して若者の業界への参入が伴っていない現実がある。このため,京都左官協同組合が母体となる職業訓練法人「聚楽会」の認定を受けた,京都府左官技能専修学院(認定訓練校通算50年)を立上げ人材育成に取り組んでいる。 学院は,鉄筋コンクリート5階建て(1.074㎡)に実習室(実技)・教室(座学)・パソコン室(CAD)で訓練を行っている。また,技能士を更にレベルアップする向上訓練を実施している。併せて一般に対する塗り壁体験も実施している。19

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