4/2010
13/40

図2 工具展開終了後の風景4/2010図3 受け入れ検査風景図4 組立図Aる。抽選により使用する旋盤が決められるが,選手は大会前にすべての機械の加工精度検査を行うことができる。 第47回大会は,表1に示す2日間の日程で,合計72名の選手を6班に分け8日間の競技が行われた。 第1日目は,工具の搬入・工具展開として,持参した刃物・工具・測定器・ジグなどを設置調整し,指定された部品を用いた精度確認を60分以内で行う。図2に工具展開終了後の様子を示す。 その後,試し削りとして50分間の課題の荒削り加工や精度確認を行う。試し削りの結果,機械に不具合があった場合は,大会施設の許される範囲でその後の調整や予備機への移動も可能である。 第2日目が競技の本番である。9:00から競技が開始され標準競技終了時間までの4時間50分間の旋盤加工作業が行われる。この間選手は,複雑な加工工程を鍛錬された技と集中力をもって進める。競技の終盤になると組立寸法の調整に入り,幾度も部品を組み立て芯出しや測定作業が行われる。このときにも傷1つつけないように細心の注意を払わなければならない。大会を見学に来られている一般の方は,展示されている見本の部品を組み立てようとするが,なかなか上手くできない。むしろ,組み立ての際に傷をつけてしまい分解できなく放置されていることが度々ある。 競技標準時間終了後は,30分以内に部品の洗浄および防錆を終え組立図D(図7)の状態に組み立て,受け入れ検査を通して作品を提出する。 図3は,受け入れ検査の様子である。選手の関係者やこの後に競技を控えているライバスの選手が摺動の具合を食い入るように見ている。力を発揮できなかった選手は疲労困憊の中で検査の順番を待たなければならない。 競技課題の図面を図4から14に示す。課題は,図4に示されている部品①から⑤を図面仕様の精度に加工し,組立図Dの状態からC,B,Aへ摺動させなければならない。各組立状態での部品間の寸法を高精度(図4から7)に仕上げる必要がある。各部品が部品図に規定されている寸法公差に仕上げられていても組立寸法の精度や摺動はできない。寸法公差の指示がない箇所も組立状態を考慮した公差域や累積誤差の補正が必要となる。 47回大会の課題で困難なところは,4ヵ所の偏芯の同期,部品③と④のM52×2外形右ねじの位相合わせ,部品⑤などの薄肉形状の加工,組立図Aから11

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る