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職業能力開発総合大学校 機械制御システム工学科野原 英孝図1 野村宗弘氏の作品「とろける鉄工所」図2 ユニークな描写例(半自動溶接の原理)1)ずいそう 今年の春,最新の溶接技術とその周辺技術に関する情報収集を目的に,国際ウェルディングショー(開催地:東京ビックサイト)に行ってきた。そこでは,意外な再会が待ちうけていた…。 当日のショー会場の催し物コーナーで,金属加工ネタでブレイクしている人気漫画家2名を招聘し,トークショー&サイン会を行っていた。そのうちの1人が,なんと著者が職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)で指導員をしていたときの教え子だったのである…。 彼の名は,野村宗弘(のむらむねひろ)。会場関係者に聞けば,彼は,講談社が発行する隔週刊青年漫画誌『イブニング』に漫画を連載しているとのことである。図1に,その作品(単行本)を示す。鉄工所を舞台にしたストーリーであり,いたるところに溶接加工を中心としたさまざまな金属加工技術をユーモラスなタッチで描いている(図2,図3)。 ここで,野村氏のこれまでの経緯や著者とのかかわり等について説明したい。 野村氏は当初,高校卒業後にアルバイトをしながら生計を立て,漫画家を目指していた。しかし,諸事情から進路変更し,平成13年7月,ポリテクセンター広島/テクニカルメタルワーク科(求職者訓練6ヵ月コース)に入所してきた。本来であれば,訓練生は雇用保険受給資格者が対象ではあるが,当時は構造不況の真っ只中であり,訓練生の定員を1~2割増(定員15名+1~3名)で引き受けていた。この割り増し分の枠の中に,雇用保険受給資格者の入所試験結果で空きが生じた場合,雇用保険受給資32技能と技術-ものづくりの魅力を伝える人気漫画家 野村宗弘氏のエピソード-えっ! 教え子が有名人に…!

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