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5.まとめ図1 改善前の課題図2 改善後の課題3/2010 図1の技能検定課題は高度な加工(精度と速度)を評価する課題であるため,設定した目的で対象としない部材の加工が存在する。これを課題とすると,訓練生がすでに知っている項目まで指導しなければならない。 図2の課題は,目的で対象とする3部材(隅木/振れ隅木,桁,垂木)に絞って評価できるようにした。これによって評価のために指導するのではなく,指導したことを評価できるようにした。 POCEの一貫性を確保することは,設定した目的を達成するための訓練を計画する際,非常に重要である。 しかしPOCEの一貫性は崩れることがある。一貫性が崩れやすいのは,既存のテキストや評価方法(例えば技能検定のような)をもとに計画する際である。本来の訓練の目的は現場作業ができるようになることである。それをテキストがあるから,技能検定課題があるからと,それらをベースに指導計画を立案すると,現場作業で本当に必要とされていることを指導しそこなってしまう可能性があると今回実感することができた。 今回検討した結果,POCEの一貫性を確保するには,以下の3点を注意すべきだとわかった。① 目的を明確にするために,作業の特性や受講生の能力を明らかにすること。② 目標を明確にするために,目的を目標として確実に反映させ,さらに目標を分解して具体的に設定すること。③ 指導項目の設定は,既存のテキストや評価方法に従って設定するのではなく,あくまで現実の作業から設定した目標に対応して導き出すこと。 作成した訓練計画案による訓練はまだ実施していないが,今後実施して成果を確認し,さらに改善を進めていきたい。25

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