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4.考察β0.1580.139-0.125-0.080.144-0.0160.1730.232-0.002③ キャリア志向④ 入社前教育表7「入社前教育と変数間の重回帰分析」独立変数R2⑴ 全体的考察 ここでわかったことは表6にあるとおり「自社製品・製造過程の理解」に有意に影響するのは,プライベ-トでも仕事と似たようなことを好む,全体の仕事をまとめたり,統制すること,部署をリードすることを好む志向を有する社員が技能に関係する製品や製造過程にまで理解を及ぼすということ。 また,「技術的成長」に有意に影響するのは今の仕事で身を立てたいと思う,ほかの人の担当職務でも知っていることがあれば伝えることを好む,自分の考えで仕事をすすめることを好むということ。これらから結果的に,従事する現在の職務に対する強い興味や技能修得に係る欲求,成長欲求等のキャリア志向の強さが技能・技術の修得度に影響を与えているといえる。 ここでわかったことは表7のとおり「自社製品・製造過程の理解」に有意に影響するものはみられず,「技術的成長」に有意に影響するものは課外活動での交流(友人関係)である。入社前に構築された友人関係は入社後もお互いに良い刺激を与え合っていると考えられ,これも技能・技術の形成につながると思われる。No1数学,物理等の基礎科目の知識2語学力3専門科目で学んだ技能知識4専門科目で学んだ基礎理論5実験・実習で習得した技能6製図の技能7卒業研究8課外活動での交流(友人関係など)9教員との交流18 今回の調査対象者の職場の人材育成のスタイルは職人型の徒弟制的人材育成に近いものであった。この育成の特徴は,上司や先輩が丁寧に教えるのではなくむしろ見ておけというスタイルであり人材育成には時間がかかる。しかし,ある一定の技能・技術レベルに至った場合,自分の独自性が出せるしまた,応用がききその後の成長のスピードは早くなる。 師とあおぐような上司や先輩はいるが,細かに指導を受けるのではなく,先輩の仕事の姿を模倣しながら,技術の関連する職場を複数経験しながら学んでいくという性格が強い。 したがって,この仕事で身を立てる,といった独立心やものづくりへの興味の強さというようなキャリア志向が重要になるのではないかと思われる。ただ,自身で解決できない問題もある。そういったときには,社内外の勉強会で職場の人,あるいは職場外部の人に教えてもらう,といったことが重要であろう。そしてこの解決には対応するためにはOn,Offという区分があまり重要でないのではないかと思われる。むしろ社内の勉強会というものはOJTとOff・JTのミックスしたものといえるかもしれない。 本調査結果で特筆すべきはOff・JTや技能検定を自社製品・製造過程の理解t値β0.1521.193-0.464-0.065-0.156-0.029-0.128-0.591-0.552-0.0951.2650.1940.8360.1150.0340.2541.0560.1430.088技術的成長t値1.3321.06-0.727-0.3990.896-0.1161.361.882*-0.0190.212技能と技術

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