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6.おわりにの間では,訓練用の電話を活用して,随時,作業進行に係る連絡を取り合うようにしている。 パンフレット200部を一束として,包装用紙で包装する。包装用紙,未修正パンフレットは倉庫に保管してある。 修正シール貼りを担当する訓練生は,包装用紙や未修正パンフレットの配達依頼を訓練用の電話で連絡する。 一方,倉庫管理を担当する訓練生は,倉庫内での棚卸作業等作業状況を見計らい,訓練用の電話でシール貼り作業の進捗状況を確認し,事前に包装用紙等を必要数量準備する。 この連携では,シール貼り作業グループとこれをサポートする用度品管理グループが,それぞれ自分たちに与えられた仕事(使命)を果たすことに努めている。 訓練生にとって,お互いに刺激を受け,よりよい職場(訓練)環境・人間関係づくりとなっている。 床や保管棚にあるコピー用紙の箱,パンフレット6の数を数えることが困難であり,個,本,箱,冊等の単位も不明瞭な訓練生も多い。 ごく簡単なことができなかったことや経験不足などから,職場で卑劣ないじめを受け,自信をなくし,対人関係,コミュニケーションについて苦手意識を持つ者も少なくない。そのため職場では,自分の能力を十分に発揮できない修了生もいる。 しかし,彼らは「就職に向けて技術・技能を学びたい。」,「一般常識的なことを学びたい。」,「パソコン操作を覚えたい。」,「ビジネスマナーを学びたい。」などを切に願っている。過去に経験したことがない新しい職場環境への変化や仕事への不安,他の従業員との人間関係,障害への理解,といった不安をこの模擬実習の中で共に共有し,対策を考え実行することにより,訓練生が自信をつけることができると考える。また,今回紹介した用度品管理,パンフレットへのシール貼り作業のほか,ファイリングや押印,仕分け作業等どのような小さな規模の訓練でも訓練生自身の体験を通して自信を育てられると結論づけたい。技能と技術

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