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1.人材育成50年2.学院の設備 京都は,左官発祥の地であり多くの色土が出土したことから左官の技能が育まれた。京都には多くの重要文化財があり,その保全に対する技能の継承が求められている。 50年の歴史を誇る京都府左官技能専修学院は,認定訓練として昭和34年京都府左官共同職業訓練所を創設,昭和44年職業能力開発促進法制定により京都府左官高等職業訓練校と改称した。兄弟校に京都府福知山高等職業(母体・福知山左官工業協同組合)および綾部分校があり,常に技能検定などの情報交換を行っていた。残念ながら福知山左官高等職業訓練校は昨年廃校となった。 平成9年,京都左官協同組合が母体となる職業訓練法人「聚楽会」の認可を受け,同年わが国唯一の京都府左官技能専修学院を設立,一般の訓練生を受け入れる「短期課程」が併設された。訓練形式も夜間から昼間とし,短期課程は全日制を採用。専修学院の形態を確立した。 現在までの卒業生624名。 鉄筋コンクリート延1,074㎡に,壁が塗れる実習室4,座学教室2,パソコン(CAD対応)ルーム(18台設置)1に加え,駐車場スペースに室内ではできない訓練が行える屋外訓練施設を設けている。42 学院の建物の仕上げすべてが左官による塗り壁でできており,左官の壁の見本となっている。また,石膏など特殊な左官技術もあり天井蛇腹,天井飾り(シャンデリヤ)が施工されている。外部には,写真に見られるようにセメント人形(京都の三大祭祇園・葵・時代祭り)が飾られているが,これも左官の技術により制作されている。 1階ロビーには,京壁による磨き壁,聚楽壁,江州壁,漆喰壁,パラリ壁や左官鏝一式および漆喰絵の数々を展示注目を集めている。これには見学者が多く,同業はもとより関連団体,学生,ユーザに及ぶ。 この施設は訓練だけでなく,多くの体験学習に使用され喜ばれている。また,全国左官技能競技大会の練習会場として使用され,多くの技能者を送り出している。技能と技術京都府左官業組合連合会 京都左官協同組合専務理事平尾  茂設紹●●●●介施職業訓練法人「聚楽会」京都府左官技能専修学院

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