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7.コイル線に流せる最大電流について○使用想定電圧時の(A) ここには,次式が当てられています。 =N4/L4 これは,直前に入力した「使用想定電圧」における電流値になります。実際の使用時には必ずバッテリなどの電源電圧からくる制限がありますから,その際にどれだけの電流が流れるかを見ます。○INS値 これは,電磁石の強さを示す式です。 Iは電流,Nはコイルの巻き数,Sは鉄心の面積です。 この値が大きいほど強い電磁石になるはずです。 ただし,何度も言いますが,飽和しない前提です。○鉄心半径mm (r) =B4/2○鉄心重量(g) ここには,次式が当てられています。 =Q4*Q4*0.001*C4*3.1416*7.8 最後の7.8は鉄の比重です。鉄心に鉄以外の強磁性体を使う場合にはその金属の比重に変えてください。○ヨーク対コイル比 ここには,次式が当てられています。 =R4/J4 式は何の変哲もないものですが,この値を何に使うかというと,強い電磁石の条件を探るための指針と思ってもらえばよいと思います。つまり,最初に述べたように強い電磁石を作ると,とにかく重くなるわけです。 では,鉄心を大きくしたほうがよいのか,コイルをたくさん巻いて重くしたほうがよいのか・・・・。現時点ではわからないわけです。よって,作成した電磁石の結果を見て,この値が「どうだと,こうだ。」というような使い方ができると思います。○トータル重量 =J4+R4○指数α=100想定の推定最大吸着力 ここには,次式が当てられています。 =100*T4/1000 (αを100とした場合) この式は指数αを使って,完成したときの電磁石34の強さを想定するものです。αは全くの第一作目では設定できませんので,2作目以降同様の形状の電磁石を作るときに機能してくる部分です。 強い電磁石のファクターとして電流を多く流すということは飽和しない範囲で重要なことです。 しかし,細い線と太い線では当然流せる電流に違いが出てきます。次の表はメーカが示しているマグネット用ポリウレタン線に許容できる電流値を示しています。 表2を見る限り,1A以上を流して安全に使おうとすると0.8mm以上の線が必要になることがわかります。 電磁石のようなほぼ,かけた電圧に比例した電流が流れてしまうような負荷では,この表の範囲を超えた電流をかけると,発熱が大きくなります。 では,0.4mmや0.3mmで作ったコイルに1A以上の電流を流してはいけないのか? ということになりますが,これも,そうとは言い切れません。 発熱が大きくなると,なぜいけないのでしょうか。2つの理由があげらますが,1つは,発熱によって,電磁石そのものの電気抵抗が増す,もう1つは,発熱によって線表面の皮膜が破損しショートする危険性があるということです。 ただ,発熱というのは電流を流した瞬間にすぐに出てくるものではなく,徐々に上がってくるもので技能と技術表2

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