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6.表の各項目について では,表の各セルの説明とセルに割り当てられている計算式について説明します。 入力する項目については,図1のように単純な電磁石コイルを想定しています。 難しい部分は特にないと思いますが,コイルの外周径を入力することについては,「なぜだろう?」と思われる方もいると思うので説明します。 コイルの外周は,巻き線の太さと何回巻くかによって決まります。完成したときの電磁石の大きさを「これぐらいの大きさまでにとどめたい」と考えるほうが自然なので,外周径から計算によって,何回巻きの何層になり,コイル抵抗が何Ωになるかを求めます。 では,入力値セル以外の部分について説明します。○銅非伝導率 これは,コイル線にポリウレタン線などの銅線を巻くことを前提にした定数です。この定数を使うことで何mmの太さで何mの線を巻くと電気抵抗が何Ωになるかを求めることができます。銅以外の線を巻くことはないと思いますが,この値を変えれば異なる金属線でも求めることができます。○水平層 ここには,次式が当てられています。 =ROUNDDOWN((D3-B3)/2/E3,0) 小数点は切り捨てていますので,おおよその目安です。密に巻いた場合,水平に何本分の線が巻かれるかを示したものです。○巻き数 ここには,次式が当てられています。 =ROUNDDOWN(C4/E4,0)*G4 入力した項目の場合に巻き数が何回になるかを示したものです。○線の長さ ここには,次式が当てられています。 =(B4*G4+E4*G4*G4)*3.1416*ROUNDDOWN(C4/E4,0)/1000 これは,トータルのコイルの長さが示されます。なぜこのような式になるのかを学生に求めさせるのもよい課題かもしれません。コイルをどんどん巻いていくと当然その直径は線の太さの分だけ大きくなっていきますから,単純に鉄心の直径と巻き数を掛け算しただけで求めることはできません。○線重量(コイル重量) ここには,次式が当てられています。 =POWER(E4/10/2,2)*3.1416*I4*100*8.6 特に説明の必要はないと思いますが,最後の8.6は銅の比重ですので,銅以外の線を使う場合はその金属の比重に変更してください。○線断面積(m2) ここには,次式が当てられています。 =POWER(E4/2/1000,2)*3.1416 これは,電気抵抗を求めるときに必要となります。○抵抗値(Ω) ここには,次式が当てられています。 =I4*F4/K4○2.0A時電圧(V) ここには,次式が当てられています。 =2*L4 なぜ2Aかというと,厳密な意味はありません。あくまでも目安です。何A流すかは,あくまでも飽和点直前までです。それと,もう1つは後述しますが,コイル線の太さによる流せる電流の限界を超えないことです。したがって,1Aとか異なる値を設定する必要がでてくる場合も当然あります。33図5 電磁石の各要素2/2010

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