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4.試行錯誤を繰り返すそれによってそのシャフトにつけたナットを引き上げる構造です。 このナットにワイヤー(1mmのポリウレタン線)をつけ作成した電磁石に固定します(写真2)。 電磁石をアタッチメントの鉄板に吸着させたあと,モータの電源を入れ,ナットにつけた電磁石を引っ張り上げる構造です。これにより,結果的にアタッチメントが体重計を押し,吸着力を測定できる仕組みです。吸着が外れても,ばねばかりのような危険性は全くありません。吸着が外れる瞬間の表示を読み取ります。 これで,指数αを求めることができます。 ただし,この体重計で読み取れる最小値は1kg程度ですので,吸着力が1kgに満たないような場合には,もっと小さな値まで読み取れる電子はかり(写真3)などを使う必要があります。その場合でも,同様の構造を使って装置を作ればよいと思います。 この引っ張り試験機の製作にかかった費用は体重計が2,000円ぐらいですから,その他の部品を合わせても5,000円もかからない安価なものですが,きちんと機能は果たしてくれます。体重計ですから,100kgぐらいまでの吸着力は測定できます。 これにより,製作した電磁石を客観的に評価できます。こうなると,高いα値を出すことが楽しくなってきます。 まず,どんな電磁石でもいいので,「こうすればきっと強い電磁石になるだろう」という物を作成し,どれくらいのα値が出るかやってみてください。最初は期待とは裏腹な結果になるかもしれません。 ここまで,読んでこられた方の中には「この実験を行うに当たって電流値はどうすればいいのか,電流を多く流せば(電圧を上げれば)いくらでもαは上がるんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし,実際には,31写真1 吸着力測定装置写真2 引き上げシャフト2/2010写真3  1g単位で3kgまで測定できるキッチン用はかり

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