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4.4 C/Pへの技術移転図7 二足歩行ロボットのプログラミング図6 技術移転の様子44もよいので,自国に持ち帰りたい(自国に帰って同じことを行おうとすると,すべてを1から作る必要があるので)。 上記内容は,一昨年,筆者が研修生から聞いた内容と,また昨年の専門家の報告書に記載されている内容とほぼ同じものであった。特に制御分野の難解さは過去に何度も問題点として上がっているにもかかわらず改善されていないのは,非常に残念であった。そこで,コース改善の提案として,CNAD技術部長と以下の点について確認を行った。 ・第三国研修については,各国から来ている研修生が本当に現状行っている非常に高度な制御法を必要としているのか否か今一度吟味をすべきである。 ・また,各国の需要や機器の整備状況に応じて,例えばPLCで制御を行う。PICを用いた制御盤を作成する。マイコンで制御する。など,臨機応変に対応できる体制を構築するのが望ましい。 ・その上で,現在行っている高度な制御技術に関して学びたいという受講生がいれば,対応する。 ・残念ながら,製作した教材を持ち帰っていただくのは,予算の関係上不可能である。 C/Pへの技術移転では,日本から携行機材としてマイコンボードと二足歩行ロボットのキット,マイクロマウス製作に必要な部品を持参し,以下の内容について,実質4週間計5名に技術移転を行った。 ・組込系システムの概念 ・H8マイコンボードの組立 ・C言語によるH8マイコンへのプログラミング法 ・組込システム構築(マイクロマウスの製作) ・二足歩行ロボットの組立 ・ジャイロによる姿勢制御および加速度センサによる姿勢把握 ・2足歩行プログラムの製作 今回の技術移転において,渡航前のCNAD側のリクエストは,二足歩行ロボットの歩行制御についてMatlabおよびSimulinkを用いて動作解析を行いたいとのことであった。しかし,事前準備を行うための物理的な時間不足等もあったため,これについては,あきらめていただいた。二足歩行ロボットについては,ジャイロセンサを用いた姿勢制御,および加速度センサを用いた姿勢判定,それらを使用した歩行プログラムの作成を行ってもらった。それだけでは,実質4週間の技術移転期間の時間を持て余してしまう恐れがあったため,組込マイコンシステムとして,マイコンボードの組立ならびに動作法,Cによるプログラミング法を行った。また,その応用課題の組込システム構築技術としてマイクロマウスの製作を行った。 達成状況としては,まず,マイコンボードの製作ならびに基本的な使用方法,Cによるプログラムの作成,二足歩行ロボットの組立ならびにそのセンサの活用法とプログラミングに関しては,予定していたとおりの時間配分,内容で進行することができた。 最後に予定していた組込マイコン応用課題としてのマイクロマウスの製作は,なんとか形にはなった技能と技術

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