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1.はじめに2.CNADと第三国研修近畿職業能力開発大学校附属京都職業能力開発短期大学校 生産技術科村田 光昭2.1 CNADとは2.2 第三国研修図1 CNAD40海外情報 筆者は,2007年11月8日から同28日までの約3週間,ならびに2009年10月19日から同年11月25日までの約6週間,国際協力機構(JICA)の短期専門家として,メキシコ職業技術教育活性化センター(CentroNacionaldeActualizaciónDocente:以下CNAD)に派遣された。派遣の目的は,CNADで行われている第三国研修,応用ロボット工学コースに対して,コースならびに教材への改善提案,CNAD講師(カウンターパート:以下C/P)に対する技術移転である。 本稿では,CNADで行われている第三国研修の概要,短期専門家としてCNADで行った業務内容やその成果について報告する。 CNADは,メキシコ教育省(SEP)産業技術教育局(DGETI)に属する研修機関で,1994年から1999年まで,日本とメキシコとの技術協力によって実施されたプロジェクトである。目的は,メキシコ国内の工業高校や,職業訓練施設の教員に対して約1年間メカトロニクス分野の研修を行うことにより,メキシコ国内全体にその技術を広めていくことである。CNADは,今年で開設して15年である。その間,1,000人以上の教員へ研修を行ってきた。 CNADでは,プロジェクト終了後の2000年から,第三国研修を実施している。第三国研修とは,中南米各国から研修受講希望者を募集し,CNADにおいて8週間の連続した研修を行うものである。2000年から2004年までの5年間,第1期として「メカトロニクス」コースが実施された。その後,2005年から2009年まで第2期として,第1期のコースをより実践的に発展させた「応用ロボット工学」コースを実施している。 2009年第三国研修では,ウルグアイ,エクアドル,コスタリカ,コロンビア,パラグアイ,ペルー,ボリビア,メキシコの各国からの参加者がいた。応用ロボット工学コースでは,DCサーボモータを使用したスカラ型ハンドロボットを研修教材とし,約8週間かけて,機械設計,CAD/CAM,汎用機械加工,NC機械加工,電子回路設計,プリント基盤製作,制御理論,制御プログラム作成,評価の順に行い,ロボットを完成させている。各国からの研修生の専門は,主に機械系と制御・電子系に分かれている。それぞれの専門各1名,計2名を1グループとし,それぞれ専門とする分野の研修生が,他の研修生の技能と技術メキシコCNADへの短期派遣報告

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