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5.応用課題(卒業研究)6.おわりに表2 ①コーチスクリュー固定壁倍率評価表3 ②コーチスクリュー固定なし壁倍率評価225.1 試験方法と試験体5.2 試験結果図5 ①P-δ曲線図6 ②P-δ曲線表4 ③桟木とビスで固定壁倍率評価5.3 壁耐力試験の考察図7 ③P-δ曲線技能と技術 開発課題で『間伐材を用いたログハウスの開発』を行ってきたが,この構法はピーセンピース構法であり,在来軸組構法にログ壁を挿入する構法となっている。そこで応用課題にてログ壁の耐力を評価することで,丸太組構法の基準によらずとも一般の木造住宅での計画が可能となる。 日本住宅・木材技術センターの試験方法に基づき,柱脚固定式の3回正負交番繰り返し加力とし,荷重-変位曲線から,降伏耐力Pyや終局耐力Pu等を求め,壁倍率として評価する。 試験体は①開発課題に用いた900mm間隔にコーチスクリューで固定したもの,②固定されていないもの,③桟木を用いてビスで固定したものの3種類とした。 試験結果のP-δ曲線(図5・6・7)から1/15rad側で壁倍率を評価すると,それぞれの壁倍率は①コーチスクリュー固定(1.26倍),②固定なし・「丸太組構法技術基準解説及び設計例」日本建築学会・「ログハウス入門」菅井康司 ㈱地球丸・「小さなキットハウス超入門」菅井康司 ㈱地球丸・「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」日本住宅・木材技術センター・「すさみトライ・ウッド協同組合」 http://www2.ocn.ne.jp/~susami/yubokukan/kit/kit.html(1.262倍),③桟木ビス固定(0.914倍)となり,終局耐力Puからの値で決まったことになる(表2・3・4)。 壁倍率では,桟木ビス固定が若干低い値を示したが,3種類とも1倍程度の壁倍率を示した。すべてにおいてログ壁の滑りが生じ,初期剛性とせん断抵抗力が小さいことがわかった。しかし,1/15radまで耐力は上昇していることは,倒壊に至りにくいと思われる。壁倍率を向上させるには,初期剛性とせん断耐力を高める必要がある。 今後の課題としては,施工法のさらなる改良を行い,壁耐力の向上を図らなければならない。最後に平成20年度の開発課題および応用課題に真剣に取り組んでくれた学生諸君に感謝いたします。<参考文献>

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