4/2009
6/44

ることができる。図3はその仕組みをコンピュータでシステム化する場合の概念図である。製品マスターが熟練者の過去の経験値に当たるデータベース部分である。新製品を受注したら,データベースの製品群から新製品に似た製品を探す,すなわち類似形状検索である。類似製品が検索できたら,類似品の加工レイアウト,トライ情報などを呼び出してそれらの情報をもとに新製品の加工レイアウト編集設計すればよい。以下,製品マスター,類似形状検索,加工レイアウト編集設計の順で説明する。・製品マスター(データベース) 2008年末現在ですでに14,000品番の製品マスター(データベース)を整備している。データ構造は,製品3Dモデルとリンクを取りながら製品情報(品番,品名,車種,材質,表面処理,等),生準情報(納入先,基準生産数,金型納期,初回納入日,等),技術情報(加工レイアウト,トライ報告書,等々),更には形状検索キーワード付加した。 形状検索キーワードとは形状特性および曲げ線トポロジーである。形状特性は,まず当社の製品形状は曲げ線,フランジ,ビード,など25種類の形状で構成されること突き止めた。それらの形状特性を抽出するためのアルゴリズムを開発し,CADに組み込むことによって形状をデジタル化した。もう1つの特性として,「プレス部品は曲げ線のつながりで表現できる」ことがわかった。山形の曲げ線,谷の曲げ線,直線の曲げ線,曲線を描く曲げ線など,それら曲線のつながりの関係を曲げ線トポロジーとして,関係特性をデジタル化した。次に形状特性および曲げ線トポロジーをCADデータから自動抽出する仕組みを構築した。 図4は製品マスター3Dモデル群の画面である。・類似形状検索 100社以上の顧客を持つ当社では,品番や品名を検索キーワードに最適な類似品を検索するのは不可能である。これが,「形状そのものをキーとした類似形状検索技術」の開発ニーズである。新製品の形状特性および曲げ線トポロジーをCADから自動抽技能と技術図3 加工レイアウト設計支援ソフト概念図4 製品マスター3Dモデル群4図5 類似形状検索事例

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る