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6.Off-JT訓練カリキュラムのねらいつの技能や技術を習得するとしても,数ヵ月あるいは長ければ1年を超える期間,1つの工事現場に入り込み,実際に仕事に従事するなかで教育訓練をしていくしかなかった。 このような教育体制では多様な仕事を短期間で習得し経験することは無理であり,また日常の仕事が優先されることで人材育成は後回しになってしまう状況下であった。 今回当社が取り組む「実践型人材養成システム」は約1年半と長期間にわたるが,「施工管理技士」資格取得に必要な大卒の実務経験年数を考慮したものであり,最終の目標は「管工事施工管理技士」「土木工事施工管理技士」の資格取得においている。 ただし単に資格取得のみを目指すのではなく,できる限り多くの工事種類を実習させ,積算業務やCAD操作,安全管理等も含めた事務知識についても社内での座学や講習で身につけてもらう計画である。 指導する先輩社員に対して訓練期間であることを認識させるため,また幅広い訓練項目を効率的に実施していくためにも,1年半の訓練期間を半年ごと3クールに分け,日々の訓練スケジュールを明確にするようにした。また1ヵ月単位でより細かな実習項目を事前に計画立てることで,体系立てたOJTの実施ができるように工夫している。 当社は従来より新入社員教育に対して,外部研修機関の利用はなかったが,今回いろいろな見識を広める意味合いもあって,三田建設技能研修センターをはじめ,いくつかの社外教育機関を活用しての訓練を組み込んだ。 自社内での資格取得に向けた勉強会開催による自己啓発の良い伝統は残しつつ,新しい教育訓練手法を組み入れて,より有能な社員への成長を期待するところである。 また今回の実践型人材養成システムの教育訓練カリキュラムでは,当社の協力企業(下請企業)での技能実習を取り入れた。 技術的にしっかりした企業で,かつ当社の主要な設備工事のうち3つの分野(給排水工事・空調工事・電気制御工事)に絞って協力企業を選択し,当社の工事に最も必要な技能を実習してもらう計画である。 当社の下請企業であることから,当社の社員に会得しておいてほしい技能,技術は,当然のことながら一番理解しているはずであるし,当社が事前に指導してほしい内容を通知するとしても,おそらく当社が期待する以上に,細かなポイントまで指導していただけるものと思う。 また訓練生がカリキュラムを終え,「現場監督」として独り立ちしたときも,指揮監督すべき下請企業の能力や特性,あるいは企業の考え方が理解できることは,プラス材料になることが多いと考える。 訓練生の知識習得の段階に応じて,短期間(3~5日)ずつ,計12回に分けて実習する計画であるが,その合い間は当社において予習・復習としてOJTでしっかりフォローする予定である。技能と技術写真6 訓練生の実習風景給排水設備の配管の実習(見学)風景写真7 訓練生の実習風景電気制御工事の実習(見学)風景20

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