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4.自己評価で満足度を上げる力開発機構の「人材高度化支援事業」に当社も参加し,そこで支援していただいた体系的・計画的な教育訓練の開発(教育訓練体系および教育・研修体制の整備)・実施がベースになっております。 それまでの当社は,それなりに教育・研修を行ってまいりました。しかし,場当たり的な研修になってしまっていたことは事実だったと思います。雇用・能力開発機構の「生涯職業能力開発体系」を活用し,当社における「職務・仕事」,「仕事を構成する作業」「作業に必要な知識・技能・技術」を分析して,体系化したデータベースをもとに,考えられる技能者のレベルを3段階に分け,各段階のプログラムを作り上げていきました。さらに,社員個々人ごとに,その内容をどこまで習得したかを記入するチェックリストを作成し,7年間で最終段階まで到達できるよう,技術と技能,知識を整理しました。 このプログラム(体系)により,だれもが目標を持った研修を自らの参加により行うことができ,だれもが同じ能力を持つことができる体制になったと思います。「できたから評価する」のではなく,「できるように持っていく」ということが可能になるのも,このプログラムの特徴だと考えます。もちろん,1つひとつの習得すべき項目は,先程より紹介している「作業標準」とリンクしていることが重要です。教える側も教わる側も,これを軸に行動することで,技術の習得の密度は濃くなると考えるからです。 いずれにしても,ともすれば「場当たり的」な中小企業の教育訓練を「体系的・計画的」に導いてくれた「生涯職業能力開発体系」の考え方は,多大なる変化を当社に導いてくれたことは,いうまでもありません。 当社では,「研修プログラム」による資格取得にかかわる講習会,受験料については,資格取得奨励制度を設けて会社負担ですが,レベルアップによる成果については,昇給,賞与等に反映することは行っておりません。では,何によって評価しているかというと,「自己評価」つまり,自分がレベルアップしたことを社内に向かって発表させることを行っております。 その1つが,毎週1回発行される「しのはらプレスサービスニュース」です。これは,社内報のようなものですが,会社のインフォメーションや,社長の年頭のあいさつ,方針等は一切載せず,自ら技能レベルがアップしたことを発表することで,自分自身を賞賛するためのものです。社員からの投稿によるもので,内容のほとんどは「私はえらい!」というようなものばかりです。創刊以来,6200号を超えましたが,23年間,1回も欠けることなく発行されております。13人材高度化プログラム構成図4/2009しのはらプレスサービスニュース

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