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3.「生涯職業能力開発体系」との出会いますが,当社には「作業標準」という技術資料集があります。これは,どんな人でも自分が得た技術をこの作業標準に登録することで,その技術を他の社員に知ってもらうという技術資料集です。現在では,約1500もの技術集となり,どんな人でもこの作業標準を閲覧することで,正確な手順・時間を知ったうえでの作業が可能となります。 また,技術者だけでなく,営業のような間接的業務の社員でも,お客様に説明するときなどにこの作業標準から説明することで,説得力のある説明が可能となります。つまり,技術の標準化とは,単に技術を共有・継承するだけでなく,会社全体としての「核」なるナレッジと成り得ると考えます。 当社にとって,この「作業標準」という「教科書」が存在したのが大変大きな効果を生む源泉となっていることは間違いありません。そして,それは修理という一見「労働集約型」作業に見えるものを「知識集約型」作業という,大変インテリジェンスのあるカタチに変えた大きな成果だったと考えます。 ここで,当社の教育システムについてご説明申し上げます。 まず,導入期でありますが,3段階で教育を進めております。第一段階では,『①しのはらプレスサービスとはどういう会社か ②社会人と学生の違い ③新入社員としての心構え』といったごく基本的な内容の講座を合宿形式によって行います。社長・専務・役員と新入社員だけの参加による合宿研修で,この期間で社会人としての勇気を持てるような基礎をつくりあげることを目的としております。 第二段階として,基礎的技術研修を行います。本社において,先程お話しした「作業標準」を活用しつつ,先生役の先輩社員に教えられながら「スパナ」を手作りで作り上げる作業を行います。社員は,理系出身者,文系出身者とさまざまでありますが,「作業標準」を利用しながらの研修により,全員が一定の品質の完成を達成することができます。 第三段階で,「MantoMan研修」を約2週間行います。これは,1学年上の先輩社員に付き,先輩社員が担当する仕事を一緒に「体験」するというものです。当然,教えるときも,教わるときも「作業標準」を利用しつつ行われます。1年しか差のない先輩社員の技術の習得度を目の当たりにすることで,新入社員にとっても,何をしなければならないかが自ら考えだせる重要な研修アイテムだと感じております。また,1年上の先輩もオフィシャルに後輩に教える立場になることで,しっかりとした技術の定着をしなければならないと自覚できる良い機会であるととらえております。 次に,新入社員のみならず,各人の研修プログラムを明確にし,自らが立てた研修プログラムを確実に実施していくという研修プログラムが当社には存在しております。この研修プログラムは,雇用・能技能と技術4000機種以上の技術情報新入社員研修12

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