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1.沖縄県の概要2.沖縄職業能力開発大学校の概要 3) 沖縄職業能力開発大学校(以下「沖縄能開大」という)の所在地である沖縄県は,日本列島の南西端に位置し,周りは美しいサンゴ礁の海に囲まれる大小160の島々からなる県である(写真1)。沖縄県は日本唯一の亜熱帯海洋性地域で,東南アジアに近いという地理的な特性もあり,かつて琉球王国として,東南アジア・中国との海外貿易・文化交流が栄えてきた独特の歴史と文化を持っている。 沖縄県の面積は2,276平方キロメートルで東京都より少し広い。人口は約137万人(2008年4月現在)で,その九割は沖縄本島に住んでいて,続いて宮古島,石垣島,久米島の順となっている。毎年沖縄県を訪れる観光客は約604万人(2008年入域観光客数)に達し1),ホテル・飲食店等を中心とする観光業が県最大の産業となっている。また,日本唯一である亜熱帯海洋性気候を生かした独特な果物やさとうきびの栽培および,豊かな自然で育まれる健康食品の生産・加工も県の経済活動を大きく支えている。 沖縄県は地域経済規模の関係から製造業は少なく,規模の大きい企業も数えるほどしかない。県全体の経済活動は中小企業により支えられている。これらの要因により,県民の所得水準は全国平均の七割程度で,失業率は最も高い県となっている。 こうした経済事情から,国は沖縄振興特別措置法に基づき,2002年から2011年までの10ヵ年を期間とする第4次沖縄振興開発計画を策定し,沖縄の自立型経済の構築を積極的に支援している2)。 第4次沖縄振興開発計画の内容は⑴質の高い観光・リゾート地の形成・情報通信関連産業の集積等の産業振興策,⑵公共職業能力開発施設での高度・専門的な職業能力開発を一層推進する雇用の安定と職業能力の開発等,計9項目があり,沖縄県の経済発展を強力にバックアップしている。 沖縄能開大はこうした地域産業振興施策の一翼を担いながら,発展してきた。 沖縄能開大は1992年に沖縄職業能力開発短期大学校として設立され,制御技術科,電子技術科,情報技術科,住居環境科および物流情報科の専門課程5科で高度な人材育成を行ってきた(写真2)。 1999年に応用課程生産機械システム技術科の新設に伴い現行の名称に変更されると同時に,沖縄振興開発計画の一環として全国各地に設置された能開大技能と技術沖縄職業能力開発大学校 生産情報システム技術科林  文彬写真1 沖縄の海40紹設地域貢献を目指す沖縄職業能力開発大学校●●●●介施

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