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3.日本・スリランカ技術短大(JSCoT)プ 経済はゴム,紅茶,宝石を主産業とし,GDP成長率で7.4%(2006年)と着実に成長し,1人当たりのGDPは1,355US$(2006年),これはアジアの中ではインドネシア,フィリピンとほぼ同レベルである。 日本のスリランカに対する経済協力は大の親日家であったジャヤワルダナ元大統領と無関係ではなく,1986年以降,最大援助供与国になっている。 2006年の統計では各国,国際機関の援助額総額3.55億ドルのうち,日本は32.5%と突出している。また,貿易においても日本は重要な相手国で紅茶,マグロ,繊維製品を輸出し,自動車,一般機械,電気機械等を輸入している。 教育制度は小学校5年,中学校4年,高校が前期2年,後期2年,大学4年となっている。社会主義国のため公立学校では大学まで無償である。 就学率は初等教育が95%,中等教育で85%程度で進学希望者は高校前期修了時にOレベル試験に合格後,後期課程に進学(約40%)し,修了時にAレベル試験を受け大学等に進学する。2002年のデータ(調査統計局)ではOレベル受験者43.3万人に対し合格者が17.5万人(40.4%),また,Aレベル受験者20.9万人に対し9.2万人(44.2%)が大学入試資格を得ている。このうち実際に大学に入学できたのは上位の1.2万人(13%)であった。スリランカは大学が13校と少なく,たとえAレベル合格者でも大学進学は非常に厳しい状況である。 労働力人口814.1万人(2005年中銀年報)の産業別雇用は農林漁業30.7%,製造業18.4%,建設業6.1%,サービス業44.8%となっている。失業率7.7%を学歴別でみると中卒6.3%,Oレベル11.5%,Aレベル以上が13.8%と,高学歴者で高いのが特徴である。このことは受け皿となる高度な産業が未熟であることを示すと同時に,大学へ進学できなかったAレベル取得者の行き場がないことも示している。 スリランカの技術・職業訓練は職業技術訓練省の管轄のもとで国立徒弟・工業訓練公社(NAITA),セイロン・ドイツ技術訓練所(CGTTI),職業訓練公社(VTA)や技術教育訓練局(DTET)で約320校が運営されている。なかでもDTETはその中核機関として傘下に36の技術学校(TechnicalCollege)を抱える。これらの技術学校で実施する訓練は電気,電子,機械,溶接,自動車整備,木工,配管,IT,冷凍,空調,会計,秘書等80コースと多岐にわたる。訓練期間はフルタイム,パートタイムにより異なるが6ヵ月および1年間コースが主流である。 2002年のスリランカ政府とLTTEとの停戦合意以降,経済は4~6%台の成長を維持してきたが,失業率は依然として7~8%と高い水準で,しかも失業者(約60万人)の半数は15~29歳の若年層である。これ312.2 日本との関係2.3 教育事情図3 コロンボの市場図4 マラダナ技術学校での旋盤作業3/20092.4 労働事情2.5 職業訓練事情3.1 プロジェクトの背景ロジェクト

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