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ABCABC可有無可有無4.おわりに<文献> 材質感については,実物のサンプルを使うことで高い評価を得る結果となった。これは実物のサンプルを実際に見ることができるため本物の質感がわかるためだと考えられる。一方,プレゼンボードをCG画像とすることは材質の情報が映像だけになってしまいプレゼンボードから得られる質感の情報が少ないため,プレゼンボードの質感に関する評価が下がったものと考えられる。 個別要素では材料詳細情報による影響が最も高く,2番目に実物のテクスチャーについて,次にテクスチャー変換とウォーク・スルーが可否の順位であった。 また,インテリアコーディネータ有資格者の方が一般人より材料情報を獲得できるか否かを重要な判断材料としていることがわかった。 以上の結果より,紙媒体のプレゼンスタイルは視覚と触感により材質がわかりやすいが,室内のイメージ空間を把握しにくいことがわかった。PC画面のプレゼンスタイルは材質感については視覚情報のみであるため劣るが,テクスチャー変換やウォーク・スルーが可能なことやインテリア空間をリアルに把握することができることが,材質感が劣る部分を補完する役割を果たすことも明らかとなった。結果として,Web3Dプレゼンテーション手法を活用する評定番号4と5が高く評価される結果となったといえる。 したがって,ブラウザ上でのWeb3Dを活用した閲覧機能は,例えば設計者が,クライアントにリフォーム前とリフォーム後を具体的に見せることができるなど,手軽にプレゼンテーションおよびコミュニケーション・ツールとして活用することの有効性を示すことができたと考える。また,インターネットを介して,時間と場所の制限を受けることなくプレゼンテーションを可能とする有効な手段として期待できる。3/2009⑴森永智年:『Web3Dインテリア・プレゼンテーション手法の有効性について』,日本インテリア学会梗概集,p75-76,2006⑵森永智年・林田和久:『Web3Dインテリア・プレゼンテーションボード作成支援ソフトの開発』,日本インテリア学会梗概集,p87-88,2006⑶森永智年:『Web3Dインテリア・プレゼンテーションボードの作成』,実践教育研究発表会予稿集,p143-144,2006 今回の実験では,被験者の専門性の有無の違いにより評価内容について有意差の有無が生じる結果となった。このことは専門性の違い,すなわち専門家と一般の人ではインテリアの評価について幾らか異なる部分があることを示していることになる。 したがって,今後の課題としてはインテリア評価を行ううえで,専門性有無の違いによる評価構造を現象学的に明らかにするための定性的分析が必要であると考える。 最後に,この研究は2005年度共同研究の一部として実施されたもので,この研究に協力者としてご支援をいただいたインターハウス捷の伊籐捷治氏と被験者および助言者としてご協力をいただいた福岡インテリアコーディネータ協会北九州支部会員の皆さまにお礼申し上げます。また,被験者として実験に参加協力をしていただいた一般の方々と学生諸君および実験内容をまとめてくれた樋口香津美君に感謝の意を表します。29⑵ 材質感に及ぼす影響(図12)⑶ わかりやすさに及ぼす影響(図13)要因名称テクスチャー変換CG画像材料詳細要因名称テクスチャー変換CG画像材料詳細カテゴリースコア−0.5不可CG実物カテゴリースコア−0.5不可CG実物0.0−1.00.0−1.00.51.0一般顧客インテリアコーディネーター0.51.0一般顧客インテリアコーディネーターレンジ偏相関一般顧客0.11350.9949インテリアコーディネーター0.36670.8591一般顧客インテリア1.85331.0000コーディネーター1.88000.9910一般顧客インテリア0.47320.99960.44000.8666コーディネーター図12 材質感に及ぼす要因の影響度レンジ偏相関一般顧客0.73990.9981インテリア0.75000.9629コーディネーター一般顧客インテリア0.82000.9979コーディネーター0.91430.9665一般顧客インテリア0.96670.99851.17140.9792コーディネーター図13 理解度に及ぼす要因の影響度

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